2013年5月19日日曜日

南の島から来た彼女  28



    もう、これから空港へ発つという時にちょっとだけ立ち寄って
   くださったホーノルさん。村上春樹は読んだ事ないし名前も知らないって。
   よかった。
   




 飛行機の中の読書になるわって喜んでくださった。ホントに時間がなかったのだけど
待合室の椅子に座ったままでドクターが最後の挨拶に来られるまで10分ちょっとの間
指圧をしてあげた。



   『2年後に必ずまた来るわ。吉岡さんもそのときまだここにいらっしゃっるか
   どうか分からないけれど、でもお会いしましょうね。メルアドも持ってるし。』


と微妙な発言をして去っていった。まあ、2年後にどうなるなんて誰にもわからない
しね。でも、あれから1年。とりあえずまだ頑張ってここにいる私でした。




 彼女と会えなくなってしまってもしょっちゅう思い出す。行った事もない常夏の島。
それなのに不思議なくらい青い海や風の吐息や昆虫たちの姿が頭に焼き付いている。
彼女のドキュメントビデオをいっぱい見たからね。ああん、行ってみたいな南の島。


 ホーノルさんの明るさと実直さと優しさがまだ見ぬ島のイメージと折り重なって
いつもそこにある。来年、また会えたらきっとそこにはまた新しいドラマを一緒に
奏でる事が出来るでしょう。それまで、ホーノルさん、お元気で。



(おしまい)




              コスタリカの夕焼け






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