2013年5月25日土曜日
営業 〜其の参〜
『もしもし、わたくし、大学病院の外科医Dr. ○ ○ と申します。』
私 『あ、ハイ、(お医者さん仲間のお友達かな?)ドクターとお話しになりたいん
ですね。お電話おつなぎいたします。』
外科医『いえいえ、そちらで予約をいただきたいんです。昨日、腎臓のセミナーで
おたくのドクターとお隣の席だったんです。(またか!)私の喘息をステロイド
を使わずに治療してくださるって言うんで。』
先生は中医学だけでなく西洋医学のお勉強にも熱心な方だ。お医者さんたちを対象にしたセミナーの招待状が頻繁に届けられるが、彼は可能な限り出向いていく。うちは
あらゆる範囲の患者さんがやってくるのでどんなテーマの講習会でものべつまくなしだ。
とにかくエネルギッシュな人だ。そして先生は「ノート魔」なのでありとあらゆる事を
メモってくる。だがお片づけ下手(!)なので、昨晩何してたかはばればれだ。朝、私が出勤して来ると昨日のセミナーや講演会のメモ書きが机いっぱいに散乱しているからそれを片付けながら私も一緒に「ふうん、こんな事例があるんだ〜。」と勉強出来たりする事がある。
しかし、ここでも営業の「魔の手」を緩める事はない。とにかく病院を一歩出たら
自ら「歩く広告塔」となり名刺を配りまくっているらしい。
私が職場で観察している限り、この傾向はうちのドクターだけではない。患者が
中国人の場合、まず、その患者さんは治療のどこかの時点で自分の「商売」を始める。
保険会社のセールスマンや輸入販売業、コンピューターの不具合はありませんかとか
主婦の場合は肉まんの行商をしていくケースもある。転んでもただでは起きないというか
ギブアンドテイク精神と言うか、これは大阪人もびっくりかもしれない。
もちろん、結果的にトラブルに発展するケースも多々ある。詳細は述べないが
すでにいろいろ目撃済みだ。お金が絡むからあまり気持ちのいいものではない。
私自身は、お金でもめる事くらいばかばかしく、また人間関係を損ねる事はないと
思っているから、何があってもこの手の「商売活動」の人々とは距離を置いている。
まっ、頑張ってくださいね。そこそこに。
Clay Motion by Jiro Y.
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