私 『プロフェッサー、お時間です。鍼を抜きますね。先ほどお尋ねの
日本人のピアニストですが彼の著書は「弟子から見たショパン」
「ドビュッシー〜自然からの霊感」二冊で間違いないですか?』
私は鍼を抜きながらこともなげにそう聞いた。
プロフェッサー『そう、そう、それだよ、まさにその題名でどんぴしゃりだ。
ええ〜?私が鍼を打たれている間、こんなわずかな間に調べて
くれたんですか?』
えへへ。プロフェッサーさん、ネット検索なんてものの数分あれば出来てしまうの
ですよ。ピアニストなんて公人に等しいしね。著作まであるならあっという間さ。
私 『Kという方はコンサートピアニストとしてよりも大学教授として名前の
知られた方のようですよ。彼は武蔵野ではなく東京の別の大学のご出身
でした。後に母校の教授におなりになったようです。最近退官なさって 現在の肩書きは名誉教授でいらっしゃいます。実はその大学は私の 主人の出身校でもあるんですよ。』
プロフェッサー『その大学なら私も良く知っています。私の日本人の弟子たちの多くが
そこの出身ですからね。そこから来た留学生たちは皆一様に真面目で
どの子も優秀でしたよ。大学名が長いから略してG.と言うんですよね。』
なんだ、それならもしかして今までそのKっていう先生のお弟子さんを教えた事だって
あったんじゃないの?または彼らに聞けばきっと一発でわかったろうし。
さて、これでプロフェッサーの人探し、確実に一歩進んだね。だけど大切なのは
このあと。Kさん、どこの誰かはわかった。プロフェッサー、次の一歩を踏み出しますか?
ドビュッシーのアラベスク
ギーゼキングの演奏です。
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