2016年2月16日火曜日

男の嫉妬は最低!!!




    たったの10日間で素晴らしい上達を見せたわけだからもしも
   綾ちゃんがその後「上手く」いったり、彼じゃなくてもドイツ人の
   恋人作ったり結婚していたりしてたら、そりゃあ、ドイツ語は母国語同然に
   なっていたと思う。疑いの余地はないな。



    まあでも周りに乗せられてつい突進しちゃったけど、綾ちゃんにとって
   こういう恋愛のやり方はやはり「らしく」なかった。
   綾ちゃんは一目惚れだとか告白だとかそういうのとは本来無縁のヒトで
   ボーイフレンドはその名の通り周囲の男の子。コツコツ仲良くなって
   盛り上がって互いの価値観を確かめ合って確信を深めていく。お付き合い
   しましょうかとかプロポーズとかに劇的な感じは無くって、だいたいそういう
   時期が来るとお互いの気持ちはもう判っている、というパターンの
   お付き合いしかしたことがないんだ。



    綾ちゃんは相手と「言葉」で仲良くなっていくタイプだったから
   やっぱり結婚相手は日本人男性だったわけだ。どちらかが言語的な
   ハンデイを負っているとどーもお付き合いまではたどり着けなかったと
   思う。




    でもあの10日間、一人の男の子にのぼせ上がった体験は綾ちゃんの
   人生に決定的な影響を及ぼした。意外にも実り多い「濃い」時間を過ごした
   わけだ。
   ドイツ語会話学習のコツのような感触をつかんだしミヒャエルは綾ちゃんの
   心の中で永遠のアイドルとなって心の中にしまわれることとなったのだ。




    綺麗な綺麗な男の子だった。長い金髪を一つにまとめてとっても背が高いから
   ほんの少し猫背に歩く。ヘヴィメタが好きで歩きながら拍子をとってたっけ。
   今でも鮮明に記憶の奥に焼き付いている。



    実は彼の想い出を文章にするにあたってネットで彼の名前を画像検索してみた。
   学者になりたい、って言ってたからどこかの大学教授にでもなってない
   かなあって。でも。



          よく解らなかった。



    彼のフルネームで何人かの「おじさん」の画像が出てきたけれど、、、。
   職業も当時の彼の専攻からは程遠いものばかり。




    綾ちゃん夫は綾ちゃんの昔の美しい恋バナを聞いた後、むげに言い放った。



       『大丈夫、心配しなくてもそのミヒャエルって奴、
       立派に今はハゲてるよ。』





        あーやだ!あーやだ!オトコの嫉妬って最低!!!




         



       おい、のんきに鍵盤ハーモニカなんか吹いてる場合じゃないぞ!
      綾ちゃん夫はハゲてはいません。いい気になってないか? 






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