2016年2月17日水曜日

もう少しドイツ語の勉強のことを話そうかな




     綾ちゃんが「ドイツ語が喋れるようになった」って言ったって
    いや、もともと専門家だったわけでしょ?私たちとは本来の立ち位置が
    違うわよって思う人もおいでだろうし、現在の綾ちゃんをリアルにご存知の
    方は綾ちゃんがドイツ人と未だにあーうー言いながら喋ってるのを聞いて
    「アレで喋れるですって、笑わせるんじゃないわよ」と思うムキも
    あるだろう。  




     そう、語学力なんてどうせ相対的なもんなんだ。綾ちゃんのドイツ語力は
    初心者の目には雲の上の人に映るだろうし、ネイティヴやこちらの日本人妻の
    方からは「20年以上住んでてしかもゲルマニスト(独文学者)だったって
    笑わせるよ」って思われるレベルなのである。現に綾ちゃんは毎日息子どもから
    下手くそなドイツ語を喋る母親であることについて罵倒されている。



     ドイツ語は難しい。何より文法が複雑で何十年経ったって名詞の性を
    覚えきれないし格変化もスラスラ出てこない。パーフェクトにマスターするのが
    困難なのはむしろ初級文法の方だという気がする。
    綾ちゃんが学者のタマゴだった頃先輩からよく、ドイツ語教師になっても
    必ずバカにしないで初級文法に常に立ち返ることと言われていたしなあ。



     ネイティヴの子供と外国語としての学習者の一番の違いは名詞の性なのだ
    そうだ。子供になぜりんごはデア(der Apfel=男性)で梨はデイー(die Birne
    =女性)だって知ってるの?と聞いてもわからない。格変化も最初から
    変化した状態で頭に入っているから考えて喋っているわけではないのだ。



     綾ちゃん自身が日本ではドイツ語教師だったのでどうしたらドイツ語を
    楽しく学んでもらえるだろうかどうやったら全くの初心者をある一定の
    レベルにまで持っていくことができるだろうか随分悩んだものだ。
    色ーんな説があるのはもちろん知っているけれどね。残念ながら最初の
    初級文法一通り終わるくらいまではただただ諦めてガガガーと頑張って
    もらうしかないというのが現在の結論だな。もちろんちょっとしたコツは
    いくつもあるけどね。



     大人が新しい言葉を学ぶ時、赤ちゃんが言葉を習得するように膨大な
    情報の洪水を一気に身につけるわけにはいかない。文法に代表されるような
    知識は考えて頭の整理をしながら窮地に陥った時でも論理の力で正しい言葉を
    話せるように導いてくれる羅針盤のようなものなのだ。絶対に軽視するわけには
    いかないと思う。



     一方で新しいスポーツを始めるような気持ちで反射神経を磨くような
    感覚で知識を「慣れ」に置き換えて頭のシナプスの連携をいかに素早く
    行えるかの鍛錬も必要だ。うん、例文をどんどん覚えるのはいいことだ。



     文法なんて言葉の本質じゃないとか発音がブサイクでも通じればいいとか
    いろんな極論があるけれど綾ちゃんはどれにも賛成できない。



     この話はまた別の折に改めてするけれど、綾ちゃんはよくネイティヴの
    ドイツ人からものすごく頭のいい人だと勝手に誤解されることが多い。
    まだ何にもハナシが始まっていないのに、、である。綾ちゃんは何故こんな
    誤解?が起こるのかよくわからなかったんだけど、どうも綾ちゃんの
    発音にあるらしいという結論に達した。初対面の人にグーテンターク、
    イッヒ ハイセ ヨシオカ(こんにちは、吉岡と申します)といった時点で
    なんと勝負は決まっているらしい。やっぱりニッポンの大学教育ってすごいな
    と思うことがある。綾ちゃんがドイツ語を始めたのは大学の一年生から
    だからね。なんの訛りもないアナウンサーのような発音に訛りコンプレックスの
    ミュンヘン人はショックを受けるらしい。


                面白いもんだ。




           

綾ちゃんが大変お世話になった先生が
新しい本を出しました。
これ、通読するだけでもものすごく面白いです。
オノマトペ和独小辞典 根本道也



  

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