豈に図らんや、彼女はうつ病と拒食症のセットの患者さんだった。
この手の人はだいたいご本人像の後ろに真っ黒の煙のような影が見える。
綾ちゃんにはそれ以上のものは視えないし何にもわからないけれど、
こういう人は案外スピリチュアル系のヒーラーのところに行ったほうが
早く快復するかもしれない。悪霊にとり憑かれるタイプの人だ。
お金もないんです。家族もいないんです。職場も辞めてしまいました。
パートナー?もちろんいません。恋人なんて一度も持ったことないんです。
(じゃあ、どうやって治療費捻出するんだろう?天涯孤独な一人暮らしの
職無しなのに?おっと、この質問はまだ早い。)友人だって一人もいません。
良くこんだけ全否定の例文をずらずら並べあげられるもんだ。
もしアンタがドイツ語の先生だったら喝采を浴びれるくらいほぼ全ての
用法を使って否定文の説明をしたよ。綾ちゃんは意識的にアタマの中で
コミカルな情景を思い浮かべながら彼女の真っ黒な渦に巻き込まれないよう
バリアを張る。ATフィールド=心の境界線ってやつか。(心理用語では
ありません。ヱヴァンゲリヲンです。=アニメ好き)
第12使徒レリエル(新世紀ヱヴァンゲリヲンより)
名前の由来はユダヤキリスト教伝承の「夜」を司る天使レリエル。
この物体は実体ではなく直下に広がる影が本体でここにあるのは
無限の虚数空間という実はこちらが影。
こ、こいつは深い!この設定に綾ちゃんはアニメを見ながらシビれてしまった。
うつ病患者に出会うと綾ちゃんはこのレリエルをつい思い浮かべてしまう。
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