2015年10月5日月曜日

本を愛するものとして





       それから綾ちゃんたちは時々会ってはスピリチュアルショップを
      眺めに行ったりするようになった。彼女は会うたびに綾ちゃんに
      新しい書籍を持ち込んでくださる。
      いや、こういう分野の本ってこんなにいっぱいあったのかと
      驚いてばかりだった。アセンションとかカバラの書、生命の樹とか。





                

こんな感じだったけどずばりこの本じゃなかったかな?



とにかくこうやってお付き合いするからには最低限度の知識は詰め込んでおかねば、
と毎日必死で本を読んでおりました。





綾ちゃん、実は以前から自分で決めていることがあるんだ。
人から本を借りた時にはそれがどんな本でも必ず全部読んで
貸してくれた人にその本の感想を言おうと。



これ読書愛好家としてのけじめとして自分に課しているルール。



と、いうか本を愛するものとしての修行というか、



「面白かった」「きれいだった」「素晴らしかった」等の
ありふれた言葉を使わないで自分だけの表現を試みる。



まっ、相手の人は別にそんなに構えて綾ちゃんの評論や感想を聞きたい訳じゃあ
無いはずだから、気楽なもんだけどね。



で、この時も一冊本を読了するたび、どこが綾ちゃんにとって
新鮮だったのか、こういう記述と別の分野のああいうことって
つながりがあるかもしれない、とか一言ずつだったが言い添えていた。




ところが彼女はほとんどのケース、綾ちゃんのそういう感想に対して
無反応だった。というかむしろ困っているように?
見えた。



私は、実を言うとまだちゃんと読んでないんです、と言って。




?????



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