驚いたことに二度目の治療日、彼女は綾ちゃんが詰めてあげた
タッパーを返却ついでに持参の弁当箱を提出した。
『今日はこの後フィジオセラピー(平たく言うとマッサージ、保険
負担できる)があって、、、よろしければこれにご飯、詰めてもらえ
ますか?』
もちろん食べないよりは食べれた方がいいに決まっている。骨と皮だけ、
という表現がぴったりのレミエル嬢、口を開けば否定文の羅列のくせに
弁当には妙にこだわる。毎回忘れずマイ弁当箱を持参しそのたび色々と
要求するようになった。いや、好き嫌いがあるわけじゃない。
綾ちゃんの詰め方にこだわりを見せる。ご飯の量だとかアルミホイルの
仕切りを取ってくれとか。
ドイツ人もおそらく中国人も弁当文化(食文化)の美意識が日本人とは
根本から違う。というか私等に言わせれば見た目の美しさに対するこだわり
ゼロなので(ケーキなんか寝っ転がって出てくるもんなあ)バランとか
アルミカップが何もないのでせめてアルミホイルで仕切りを作って
少しでも見栄え良くお弁当を詰めていたのだ。
ホイルを取ると隙間がずいぶん空くので量が増える。こんなに
食べれるのかな、ううん、このこだわりの理由は二つに一つだ。
収入が無いから少しでもたくさんご飯をもらっておきたいのか、
あるいはアノレクシア=拒食症(カルテにはそう書いてあった。
彼女の自己申告)ではなくてあるいは彼女はブリミエ=過食症の
患者なのかもしれない。
そちらの可能性大だな。
今日はノイベルトさんのピアノコンサートの日です。
ラベルの「クープランの墓」はソコロフの演奏がYouTubeに
ありました。綾ちゃん、この曲も知らなかったんですけど
ラベルらしい雰囲気のある曲ですね。
ではコンサートでお会いしましょう!
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