この病院でたくさんの女性に出会ってきた。
こんなに多くの人たちが同じ望みを抱きながら
叶えられずにいるということに驚きを隠せない。
赤ちゃんが欲しい!
普通に結婚したらあれよあれよという間に二人の子供に恵まれた私は
この種の悩みについて思いを馳せたことなどなかった。どっちかというと私は
子供が苦手でママになるなんてそもそも無茶なんじゃあないかと恐れていたくらいだ。
案ずるより産むが安しという言葉はもちろん字義どおり、お産の心配は
するだけ無駄って意味だけど、お産の経験のある人は誰しもこの言葉を
身をもって識っているはずだ。
誰だってママになれるしママになるのはそんなに難しいことじゃない。
もし私達が子供に恵まなかったならばどんな風に感じただろうか?
私は子供がいてもいなくてもやっぱり幸せだったんじゃないかなって
ぼんやり思っているのだけれど、どうだろう?
それとも何か辛いことが起こった時に 「 それもこれも全ては子供を
授からなかったせいだわ」、とか思う日が来たかしら。人生の起こらなかった
もうひとつの可能性を追求したって無意味なのはわかってる。ひとつ言えるのは、
これまでの人生で何か悩み事が出来たとき、ああ、それもこれも全ては子供を
産んでしまったからだわ、なあんて後悔したことがないのは事実だし、
これからもあり得ない。
私はきっと子供に恵まれなくても幸せに暮らしていけたと思う。
だけど一度子供を授かったらもう子供のいない人生は考えられないし子供の
いない人生に戻ることも考えられない。(なあんて言いながら子供が独立した後の
老後の人生をほくほく夢見たりはしてるけどね。)
そんな人生の混沌の中に身を置きたいと思う女性がうちの病院には
たくさんいるのだ。
ママになるってことは
みのもんたさんの苦しみが他人事ではないって
思えるようになるってこと、だと思う。
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