2014年5月31日土曜日

詐欺?いや、それは職務怠慢、けれどその二つは同じもの




              業界最大手、消費者テストナンバーワンの会社にしては殺風景な内装だった。



               ここはミュンヘンで数少ない日本人ヘアーサロンや有名な1ユーロ寿司の
   お店がある通りだから綾ちゃんもしょっちゅう通っている。
            華やかな通りの賑わいに似つかわしくない雰囲気。むき出しのコンクリート。
   ドイツ人は(昔ならともかく)こんなの嫌がると思うんだけどな。意外や意外。



             時間ぴったりに現れた綾ちゃんをロンさんは玄関先でいまかいまかと
   待ち構えていた。もう、既に怪しいぞ。前回綾ちゃんが保険の契約に
   訪れたときには時間に遅れたじゃないか。
           コーヒーでも如何でしょう?なんてすすめられて、さて、どんなお話
   でしょうかね。




             『いやあ、お宅のドクター、何て言うか、ちょっと難しい方ですよねぇ。』




              そうだろう、そうだろう、オマエさんにとってはそうだろう。



              綾ちゃんは先日患者さんが怒鳴り込んできた日、あとからドクターに
   事情を聞いていた。




                 それはロンさんの致命的なミステイク事件だった。



           ロンさんは患者さんたちにうちの病院の治療費が使えない、
    つまり間違った商品を契約させていたのだ。








        



      おまたせ!綾ちゃん二男のEmflosajiカルテットの演奏です。
      ハイドン弦楽カルテット43番 dーMoll op.42

     先週 アウグスブルクのモーツアルトフェストの催しで
     アルミダ カルテット (2012年ミュンヒェン国際コンクール1位)
     によるマスターコースが行われた。子供たちはは前回のドイツ青少年音楽
     コンクール州大会1位特別賞の副賞でこのコースへの参加特待生と
     しての権利も勝ち取りました。コースの終了コンサート。小黄金の間にて。


     綾ちゃんは最後列の席で(子供たちのプライバシーを守るため)
     顔を映さないように撮影したつもりです。最後の礼のところは
     目をつぶって見てね。
     手ぶれで船酔いした様な映像ですがゴメンナサイ。





2014年5月30日金曜日

さらなる事件? 





           ロンさんが出入り禁止になってから病院はまた以前の通りになった。
    時々、ロンさん、怒ってるだろうなあ、とかいまだに追い出された理由を
    ご自分では把握してないだろうなあとかちらちら考えることはあったけど
    まあ、全体としてそれほど大それた事件じゃない、時間が経てば笑い話さ、
    位に思っていた。



                 そして「本当」の事件が起こった。


             ある日のこと、若い女の患者さんが怒鳴り込んできた。
    文字通りの怒鳴り込みだった。



             彼女は例の、ロンさんの紹介で治療を受けた中国人の学生さんだった。
    ドイツ語が一言も喋れなかったので綾ちゃんとはいつも英語で会話していた。
    彼女が大変「キツイ」性格のヒトだと言うのは気がついていたがそれにしても
    まあ、凄い剣幕でドクターに食ってかかった。まあ、中国語だから
    綾ちゃんには全然わからなかったんだけどね。




            ドクターはというと、深刻そうに彼女の話を注意深く聞いたあとで
    どこかへ電話をかけた。そして電話口で相手に向かって今度はドクターが
    文句を言っているように聞こえた。何だろう?お金のことかな?




              綾ちゃんは他人事には首を突っ込まない主義なのでまあ、いいやっと
    自分の仕事に集中していた。



            すると先程まで中国語で不快そうに誰かと電話していたドクターが
    まだ切れていない電話をそのまま綾ちゃんのところに持ってきた。
    ええ?電話の相手が綾ちゃんに何の用?それって間違いなく中国語の
    ヒトでしょう?




              ドクター『フラウ ヨシオカ、ロンさんがあなたに話があるって。』


              えええ!?電話の相手ってロンさんだったの?
               私に何の用?



             ロンさん『こんにちはー!フラウヨシオカ。お元気ですか?実はですね。
         折り入ってお話したいことがあるんですけど近いうちに
         お時間とっていただけないでしょうか?』




             はあ。この間の契約のことらしい。まあ、ロンさんご自身は
    出入り禁止だから綾ちゃんが出向くしかないようだ。幸い彼のオフィスは
    病院のすぐ近くだから仕事帰りに寄れないこともない。


      子供の帰宅が遅い火曜日ならと約束をした。


             彼は終始にこやかだったがなんだか悪い予感がするぞ。状況的に。



                ドクターはさっきの患者さんと一緒にどこかへ出ていっちゃったし。

                綾ちゃんの結んだ保険契約。なんかまずいことでもあったのかなあ?








園芸下手の綾ちゃん、買って来る植物を次々に冥土へ旅立たせている
罪深いヒトですがこれだけは上手に育ちました。



クレマチス
3年目で大きくそだったなあ。
今日は16度と寒い日ですがお庭で満開です。



2014年5月29日木曜日

再び追い出される




               あの日はみんな興奮してたから舌足らずだったんだろうな。



              ロンさんは自分が追い出された原因を「病院」で「携帯をつかったからだ」と
   文字通り解釈。電話を済ませてのこのこ帰って来た。



            これが中国語ではなくってドイツ語の会話なら助け船の出しようも
   あったのだろうと思う。




            いや、違うな。綾ちゃん、普段から母国語とは違う言語で生活する者として
   イヤになるほど痛感していることがあるんだ。普段頑張って外国語で
   しゃべっている分、母国語の通じる相手に対しては思いもかけぬほど
   心安く感じてしまうし、その一方で相手に関する人間観察と対人評価が
   キビシクなってしまうのだ。ドクターもロンさんがドイツ人だったなら
   もっと理性的に話し合えたのかもしれない。でもそれ以前にそもそも
   彼らの中にここまで急速に深入りはしなかっただろうな、ドイツ人なら。



           綾ちゃん自身もドイツ人の患者さんへの評価と日本人の患者さんに
   対してでは大きな開きがある。患者さんが日本人だといきなり「身内」気分が
   発生するから距離感の取り方にむしろ随分気を遣う。


    これは何年経ってもどれだけ外国語が上達しようと変わらない。




              だから、ここでもう一度繰り返すがこれが重要なんだ。




                        「親しき仲にも礼儀あり」



        そしてロンさんは改めて追い出された。おそらく今度は品行不良を
    申し渡されて。




          ドクターは面と向かって厳しく接した。同じことをしたのが
    ドイツ人なら(あんまり想像し難いが。やっぱドイツ人ってエライもんだわ。
    それだけ礼儀正しいってことだね、ドイツ人)
    もっとこちらの応対も違っていたはず。も少し理性的に話し合うとか。







ミュンヒェン東駅に近いソーセージとかを売っている
飲食店。古い映画に出てきそうなうらびれた雰囲気に
思わずシャッターを切ってしまった。
そういえば最近はドイツでもこういう汚いお店って滅多に見なくなりました。
不思議と懐かしい気がしたのです。




2014年5月28日水曜日

懲りぬ奴

         



   ドクターはロンさんの傍若無人ぶりにかなり前から腹を立てていたらしい。



        しかもロンさんがほぼ毎日ご飯を食べに来ていたのは、奥さんが毎朝誘いの
  電話をかけていたからだと知らなかったと見える。(今日は

  東坡肉=トンポウロウつまり豚角煮に肉まん、麻婆豆腐もあるわよ♪ってね。)

  ちなみに奥様はご飯を食べさせた後、ロンさんにサインをさせて「栄養不良を

  是正するための食事療法」

  名目で請求書を立てる算段まで立てていたのだ。払うのは保険会社だからね。
  ちょっとやり過ぎだと思うけど。




       ともかく、 夫婦間の意志疎通不足の典型的な例だ。ドクターは(綾ちゃんが
  そう思っていたように)自分の奥さんが若いにいちゃんにでれでれしている、
  という目で見ていてそれが耐えられなかった様子だったし。


         とにかく二人は大喧嘩したあとむくれてそれぞれの持ち場に戻った。



              綾ちゃん 『あのお、鍼、どうしましょうねえ?』



              奥様        『いいわ。今度にする。』



   ま、それが妥当なセンだなっと思ってお部屋を片付けようかとのろのろ
  動き始めたとき、ドアのベルが鳴って誰かが入ってきた。



                        え?   え?    ええ~!??



                        まさかのロンさん再登場。



                   あほか、お前さんは舞い戻ってきて。空気を読め。空気を!






お休みの日はお庭でのんびりゆっくりごはん食べるのが好き。
週末の遅いランチは病院のコックさんに作ってもらった
ワンタンを餃子みたいに焼いて食べた。
激ウマでした。




これはキームゼーの地ビール
普段は高いのに安売りしてた。
75セント=100円くらい?

ゆっくり平和な満ち足りた気分の中で
湊かなえさんのこわ〜いミステリー「告白」を
読んだりするのが至福の時!?



2014年5月27日火曜日

とばっちり





               綾ちゃん  『あのお、ドクターってロンさんのこと
            快く思ってらっしゃらないんですか?』



                   奥様   『うーん、この間からけしからん奴だとか
            何とかしろとかぐちゃぐちゃ言ってたのよねえ。
            でもねえ、彼は患者さんいっぱい連れてきたじゃない。』





               そうか、そうだったんだ。ニブイ綾ちゃんようやくはたと思い当たる。
   あの若い中国人の女性たちって皆、ロンさんの紹介だったんだ。
   なんかいつもの客層っていうか患者層と違うと思ってたんだ。
   つまり従姉妹さんはともかく、奥様が彼にちやほやしてたのは
   営業接待の一環だったんだ。



           もう指圧もおわりで綾ちゃん、奥様の治療(鍼)の為ドクターに
   タッチ交代しなきゃならないけど外はそんな雰囲気じゃあない。
   えっとどうしよう。



                外では口論の末、ロンさん追い出されちゃったみたい。
              ようやく静かになったかと思いきや怒り収まらぬドクターは
    こっちの部屋にやって来た。今度は夫婦喧嘩あ?





               『♂∞※▽$@/&+∞▲◇〆〇℃↓≪◎▲¥∞∴!!!』


      奥様も負けない。




             『+¥〆≪◇@$.][!゛ゝ仝〆∞≠>◇〓※▲☆⊆&←♭Å∬!!!』


                       ここは病院。ちっとは考えようや。







アウグスブルク。目的地はモーツアルトハウス前
あれ?中世のお坊さんのフィギュア?
正体は確認出来ぬまま



小黄金の間
天井




ここで二男のカルテットがコンサートに出演しました。



2014年5月26日月曜日

破局模様 続き


          

           奥様だった。



          奥様、ロンさんの接待にいらしたのだけど、ロンさんがくつろいで(!?)る
  様子を見て安心したのか綾ちゃんに別の用事を言いつけた。
  指圧をしてくれないかって。



          実はドクターの奥様、身体が虚弱でいらっしゃる。低体重で生まれたことと
  関係ありそうだということで昔から不定愁訴に悩まされている。最近は更年期と
  セットで体調がお悪いようでドクターに治療を受けている最中だった。
  医者のダンナ様ってやっぱり便利。



             ドクターはお昼寝中だから特に誰にも断らず私たちは治療室に入った。
  ロンさんは勝手知ったるカンジだしね。



                『ああ、いい気持ち。もう、身体中痛くてしようがなかったの。
      やっぱりヨシオカさん、上手ねえ。』



               えへへ。そうでしょう。そうでしょう。奥様だから特別大サービスの
   スペシャルコースなんだもん。あっちをもみもみ、こっちをもみもみして
   いた。ら、突然どっかのドアが爆発したかのごとくばばーんと音を立てた。
   何事???




           『〇£$%☆¥〃〆!!/々?仝◇▽★●〓∧△♂$∴÷∞◇▲※!?!!!』





           綾ちゃんにはさっぱりわからない言葉で大声出しているのは
    なんとドクターその人!え?ええ~!?



     なんか全然わからんけどきっとこれってヤバい状況???



             以前綾ちゃんはドクターとお料理の女性が怒鳴りあっているのを
   遠くの部屋から聞きつけ、大変だ!仲裁しなくっちゃって飛んで行ったら
   二人はただ単に「談笑」していただけだった、ということがあった。
   二人仲良くニコニコ笑いながら怒鳴っていて最後は可笑しくて堪らなくなって
   げらげら笑いころげていてショック(これぞカルチャーショック!)だった。

                   でも、多分、これは、違う。


          ふと気が付けば診療台に横になっている奥様も身体を固くしてらっしゃる。




アウグスブルクの街中でふと見上げるとバルコニーに
人影が • • • 。






影絵?フィギュア?





正義の女神ユステイチア
剣と天秤を持った法の女神




表玄関に回ってみると弁護士さんたちの
集合事務所でした。


アウグスブルク、なんかすごい。







2014年5月25日日曜日

破局模様

           



      その日はその時間、すとんと暇になった。



           お昼休みも取れない日が多いうちの病院としては素晴らしい成り行き。
  午前は朝早くから戦争状態だったのに12時過ぎるとすうっと人が減り始めた。
  おお、ちょうどいいかも。15時からはまた予約がいっぱいいっぱい。
  綾ちゃんも「定時」に帰れる。やったあ。



             その時ロンさんがふらりとやって来た。まあ、ここのところいつもの
  ことだから綾ちゃんは特に気にしない。ロンさん、一緒にごはん食べましょ。



            ドクターの従姉妹さん、いつものように大喜び。ロンさんを甘やかしたのが
  奥様だけじゃなくってこの従姉妹さんも一緒だったのが事態を助長したのは
  間違いない。



              この彼女、ドクターにとっては従姉妹といってもほとんど妹に近い。
  兄、妹と呼び合う仲。大家族で小さい頃は一緒に住んでいた。
  離婚(御主人の浮気)と職場の首切りというダブルショックで途方に暮れていた
  彼女に3カ月のドイツ旅行をプレゼントしたのはドクターだ。
  宿泊費用も飛行機代も何から何までドクターがもっている。その代わりと
  言っては何だが病院の方もずいぶん手伝ってもらった。もちろんアルバイト代も
  つくから一石二鳥。とはいえ何しろ言葉が中国語オンリーだから気疲れも
  多かっただろう。綾ちゃんとも片言の筆談しか出来ない。
         だから彼女はことのほかお喋り相手が出来て喜んでいたのだ。



           が、この日のロンさんは殊にマズかった。


              うちがヒマそうだと見てとるとやおら携帯電話を取りだし中国語で
   長電話し始めた。綾ちゃんには内容はわからないけど大声だったし
   態度も悪かった。



              ちょっと静かにしてもらえるよう身振りで伝えようかと思っていたら
   ドアが開いて誰かやって来た。




綾ちゃんは昨日、仕事が終わるとその足でアウグスブルクへ行きました。





迂闊にも綾ちゃんミュンヒェンからすぐそばのこの由緒ある街、
むか〜し一度だけ半日観光しただけで後は何度も素通りしていました。
予定より早く着いたのでぶらぶら町を見学していたら
何と絵になる景色満載。




ふと見上げると誰かが綾ちゃんに手を振っている??




2014年5月23日金曜日

リミット

       



           困ったもんだと綾ちゃんも思い始めていた。



           ロンさんはおそらく営業と称してはうちを休憩所代わりにして
    のさばるようになってきた。




                     毎日が宴会だ。



          綾ちゃんとドクターは日々の仕事でどたばたしているから何となく、
   おお、またいる、今日もいる。まだいる。って感じだったけど。
   ドクターが彼を接待したのは最初の日だけであとはお昼時に彼を
   特別扱いすることはなくなった。こっちも仕事で忙しいからね。
   彼に「やっ!」て挨拶して午後の診療時間まで自室でお昼寝。
   特に気にしてはいないみたい。



           と思っていたら実は違っていたんだ。後になって判った事だけど。
   ドクターは綾ちゃんよりももっともっと事態を深刻に考えていた。
   なんたって自分の診療所だしね。わかってなかったのはむしろ綾ちゃんの
   方だった。



             ニンゲン、リミットという名の「限界」のコップは小さい。



                   ロンさん、お願い 、気付いて。早く。







中国の端午の節句は旧暦でもうすぐなんだって。
餅米じゃなくってタピオカで
ちまきを作ってくれました。
白と緑の二色にあんこが入ってます。
美味し〜い!!
ごちそうさま。





2014年5月22日木曜日

親しき仲にも礼儀あり



                親しき仲にも礼儀あり。



          綾ちゃんの座右の銘。うん。
        人間関係を上手くやっていくための一番のコツかもしれない。



          綾ちゃんはアタマに思い付いたことを何でもボカボカ口にして失言しちゃうことって多い。おっちょこちょいでどうもいけない。人と人とが仲良くなっていくときに「一歩引いて」相手に対する敬意を「表明」し続けるのはとても大切。

           例えばうちのドクター。あまりにも気安いカンジでいつもニコニコしているしいくつになっても「世慣れない」不器用さが憐れをそそる。思わずお医者さんだったり経営者だったり年上だったりするのを忘れさせる風貌に気安く感じ過ぎて本来のスタンスを越えて接する患者さんも少なくない。まあ、ドクターもへらへらしてるからカンチガイさせちゃうんだけどね。ドクターだって奥様に対してはとってもエバッってる。いわゆる亭主関白。そうだよ。それが当たり前。




               そしてその愚を犯し始めたばかたれがいた。

                 若い、若いロンさんだ。




    まあね。あまりにもオバさんたちが寄ってたかってちやほや世話を
   やきすぎているのもタマにキズ。中国語が一言もわからない綾ちゃんでさえ
   オバさん連が何を言っているのか目に浮かぶ。




    キャリアウーマンでドイツ人の奥さんじゃ毎日ろくな食事してないでしょう。
   いいのよ。毎日でも来なさい、なあんてね。


           

              

             

ミュンヒェンは昨日からやっとでいいお天気
宮廷公園




わかります?この女性たち、下着、です。
FKKと呼ばれるヌードが公的に許される地域、英国公園は
このすぐそば。




2014年5月21日水曜日

それをギブアンドテイクと呼ぶかウイン・ウインと呼ぶか




             彼はたくさんの患者さんを連れて来た。


                 商売繁盛、商売繁盛。



        ロンさんの花粉症も素晴らしく良くなった。これにはロンさんご自分で
   びいっくり。つまり彼の治療はうちのドクターを自分の顧客に紹介できるか
   どうかのテストだったってわけだ。



         中国人の彼は漢方(漢方薬、お灸、鍼、その他漢方の病院で施される
   すべての費用)を対象とした保険のパッケージを組んでいた。彼ならでは。
   しかも独自性があってすごく面白いと思う。他の競合会社でも色んな商品が
   あるけれど、どれも「自然療法」でひとくくりになっていて、いざ治療を
   始めるとやれお灸は対象外だとか難癖をつけられてなかなか思うほど
   お金は戻って来ない。



           ロンさんご自身も自分で身をもって体験して全治療費用の90%が
   保険費用で払ってもらえた。これはいい。




         うちのドクターも奥様も「持ちつ持たれつ」のギブアンドテイクが大好き。
    でもこれは本当に両者にとってお得なウイン・ウインと言えるかも知れない。



        実は綾ちゃん、自分が病気したときにドクターがどうしてもお金を
   受け取って下さらないことをとっても気にしていて、自分も補助保険に
   入ろうとここのところネットと首っ引きになってる最中だったんだ。
   渡りに船とはこのこと?



             綾ちゃん、息子と同じ会社の保険に入るつもりでいたのだけれど、
   どう考えてもロンさんのところのがお得みたい。デメリットは中医学以外の
   自然療法に使えないこと。何故か眼鏡代にも使えるんだ。眼鏡は前の年の
   事件以来いまだに買ってなかったからちょうどいいかも。



     ううん、これがご縁というものか。エイヤッと決めた。
         月額50ユーロ相当の掛け金。



            ロンさん、よろしくお願いしまあーす!!





         


           綾ちゃんまたまたドラマネタ。ちょっと見過ぎ?
         「リーガル ハイ」はものすごく面白かった。公害訴訟の
         話なんかは明らかに放射能汚染問題を揶揄した「絆」批判だったし
         第2部で岡田将生演じる羽生君が「ウイン•ウイン教」布教者で
         こういう考え方をネガティブに描いて最後は彼が負けてしまう
         という筋書きがとても新鮮に思えました。






         


2014年5月20日火曜日

ロンさんをめぐる不思議な現象





              ロンさんは最低でも週に二回は通って来る。
    治療抜きでもふらりと寄ってご飯を食べていくことがある。




               不思議なことにアポ抜きで来た時でも彼が顔を見せる日の
    うちのご飯はわざとらしいくらい豪華でやれ手打ち麺の焼きそばだの
    アヒル料理だの月餅だの鯉だの続々と腕に寄りをかけたメニューが並ぶ。
    もううちはすでに病院ではなくレストラン状態。


               この時期うちを訪れた他の患者さんにとってはラッキーというしか
    言いようがない。



                 こんな風にロンさんが現れてからうちの病院はなんだか
    華やかな喧騒に包まれるようになった。
    普段なら綾ちゃんと交代の時間に顔を見せるドクターの奥様が
    ロンさんが来るときは決まってお昼の時間にやって来て「接待」する。
    それでああ、なるほど、と事前に電話でアポをとっていたこと、彼のために
    特別メニューをこしらえていたからくりを理解したりするわけだ。



                  もうひとつ大きな変化があったのは患者さんに突然中国人が増えた
    ということだった。しかも若い女性ばかり。学生さんとか起業家の
    キャリアウーマンとか。留学生の女の子たちは明らかに実家が裕福な娘たちで
    皆ほとんどドイツ語は出来なかったけど英語で綾ちゃんと会話して語学学校に
    通いブランドの服を着ていた。

                この新しい患者層(客層?)は全部ロンさんが連れて来た人たちだと
    綾ちゃんが気付いたのはずいぶん後になってからだったんだ。







ここはミュンヒェン ガスタイクの音楽図書館
大抵の楽譜はここで間に合う。
ここでCDを視聴出来る。
今日は綾ちゃんここでチェロの譜面を借りました。





ブースでDVDを視ることも出来る。
わずかな年会費を払うだけで全て無料。





2014年5月19日月曜日

ロンさん





                そして翌日からロンさんの治療が始まった。


           去年の春の出来事だったから丁度花粉症の頃だったんだな。
   かなり熱心に通って来て指圧に鍼、お灸のフルコースで帰りに必ず
   ご飯を食べて帰っていった。

           彼は喘息かと思われるほどひどい咳込み方だったがこれは毎年
   この時期限定の発作でなんと花粉症とのこと。実は自然療法的には
   両者に大差ないんだけどね。



           32歳のロンさん。筋肉質で男前。例えるなら数年前にお亡くなりになった
   韓流のパク ヨンハさん?上腕部に小さく龍の彫り物がオサレ。
   「辰年なんですかあ~?」とマヌケな質問をする綾ちゃんににっこり
   白い歯を覗かせながら「いえ、そういう訳では。」なあんて答える辺りが
   またいい男っ振り。どうでもいいけど綾ちゃんの好みのタイプとは
   少し違うけど(綾ちゃんはねえ、例えばあ、藤木直人さんとかあ、ホント、
   どうでもいいわ)。



                そして綾ちゃんは気が付いていた。



    ロンさんの予約が入っている日のうちのお昼ご飯は必ず豪勢なものになる。
   鯛の清蒸とか豚の角煮に焼餃子や肉まんがついてホテルバイキングのごとく
   大皿で振る舞われる。
   明らかにドクターの奥様やドクターの従姉妹もウキウキ彼にほだされて
   舞い上がっているようだった。(くどいしどうでもいいが綾ちゃんは
   微妙にタイプではなかったので、さほど彼に夢中になったりはしていなかった。
   綾ちゃんが中国語が出来ないのでみんなとの会話に入っていけなかったのも
   この件に関して少しだけ醒めていた理由かもしれない。)


            話を聞けばロンさんは小さい頃ご両親と共に中国から移住してきて
   こちらの学校を卒業後保険会社に就職。既婚者だが奥さんはドイツ人で
   キャリアウーマン。夫婦仲は良いが奥様が忙しくドイツ人だからほとんど
   料理をしてくれないのがタマに傷、ということであった。なるほど。
   わしらの息子ほどのカンジでもありなんだかオバさん連としては
   ちやほやしてあげたい「年下のオトコの子」だったわけ。






日曜日の早朝にお散歩
近所にこんな立派な黄色の藤の木が満開でした。




2014年5月18日日曜日

突如として現れたイイ男




                話をずずいと戻して保険のエピソード。



                 去年の今頃のことだった。



            ある日病院に中国人の若いにいちゃんが現れた。




          患者かと思いきやドクターが出てきてまあまあ、なんていいながら
   自分のお部屋へ連れていったから話は通してあったものらしい。




         やがて当時こちらに滞在していたドクターの従姉妹に中国語で何やら
   言いつけるとドクター、いそいそと昼間っから紹興酒(!?)を出してきて
   「接待」が始まった。よく覚えてないけど病院はヒマな日だったんだな、きっと。
   従姉妹さんは手作り餃子を焼いて運んで来る。お客様への一番のもてなしは
   いつでも餃子、餃子。


               普段お酒をたしなまない(でも強い)ドクターもお客様もほろ酔いで
   赤くなっちゃって何やら中国語で盛り上がっている。

               これが私とロンさん(仮名)との最初の出会いだった。


            彼はドイツ最大手のプライベート保険会社の営業マンだったんだ。


   このあと彼とうちの病院で綾ちゃんも巻き込んで小さな嵐が起こった。
          この日がその始まりの日だった。







キャサリン バトル 「春の声」
あまりに有名なカラヤンのニューイヤーコンサートにて
                          



             

2014年5月17日土曜日

失恋ショコラテイエのサブリミナル効果について (後)






                             綾ちゃん気になってお風呂場の体重計に乗ってみると
      なんと体重128kg???違うって。体重計が壊れてるだけだって。



                          でも突然太ったのは間違いない。このカンジだと3~5kgは
      いったんじゃないか?因みに翌日タメシにもう一度体重計にトライして
      みると、おお、145kg!これって更に太ったってこと?
      もはや仰天ニュースの世界だな。


                  めったに甘いものを口にしない綾ちゃんがドラマの影響で
      突然チョコレートを食べるようになったのだ。
      これぞサブリミナル効果。



                  おそらく綾ちゃんの脳下垂体辺りでは、あの美しい石原さとみさんが
      お芝居で次々とチョコレートをほおばっている場面が焼き付いてしまって、      彼女のようにチョコを食べ続けるとあんな風に若く美しくなれて素敵な
      恋物語に参加出来るかのごとくインプットされてしまったのだろうな。
      リアルの彼女はなんたって月9で主役を張れる女優さんなわけだから役とは
      いえあれだけチョコ食べる役なら絶対どこかで食事調整しているはず。
      うおお~!!綾ちゃん!!現実と向き合ええ~!!




                 サブリミナル効果というのは実際にはさほどのものではないと
      昨今言われているが、学問的な蓋然性とはごくごくニュートラルな
      状況下でいかなる条件のもとでも誰にでも起こり得るかどうかが問題な
      訳で綾ちゃんのケースとは条件が程遠い。もう綾ちゃんの場合は脳が
      「騙されたい」「癒されたい」とおくれおくれをしている状態だから無条件      に入って来ちゃったんだな。だから正確にはサブリミナル効果とは
      呼ばないのかもしれないが。



                   綾ちゃんは不思議と小さい頃から甘いお菓子が上好きではなく
      大人になってからは決定的にダメになった。お茶うけにちょびっとなら
      美味しくいただけるのだがばくばく食べると(例えばショートケーキ一切れ)
      後から頭痛がしたりする。ところが今回はマインドコントロールに
      かかっているせいか、その頭痛も全く起こらない。
      喜ぶべきことでないのは確かなようだ。



                  が、128kgで完全に目が覚めた。


               先週からチョコを買うのを完全に止め健康食生活に変えた。
      が、恐るべしチョコの威力。身体の重い感じやお腹のポッコリは
      簡単には去らない。結局未だに正確な体重は測っていないが体調は
      感覚でわかるのでゆっくり戻していくつもり。



                  新しい体重計は当分買わない方がいいかも。





           

サブリミナル効果をミステリーに取り入れた
名作「魔術はささやく」



     

2014年5月16日金曜日

失恋ショコラテイエのサブリミナル効果について  (前)

              




           オバさんは松潤が好きだ。


          失恋ショコラテイエの松潤が(原作のコンテを含め)冬ソナのヨン樣
   彷彿とさせる髪型だったのは偶然ではないはずだ。以前、同じく松潤の
   「花男」がヒットしたのも当然で、オンナの子は白馬の王子様が
   何の取り柄も無い普通の女の子を好きになる「あり得ないラヴストーリー」が
   大好きなのだ。一度でいいからあんなお金持ちのいいオトコに好きだ、
   好きだあ大好きだあっと連呼されてみたいという
   (日常に疲れた)オバさんの隠された乙女心をくすぐるから。



         ということで仕事に家庭にあたふたの日常を送る綾ちゃんは疲れた心を
   癒してもらうかっとこのドラマを見始めた訳だ。


          おお、ウワサに違わず中々の名作ではないか。視聴率はイマイチだった
  らしいけれど。テーマはごくごくありふれた古典的なものだが、
  ここには真実が語られている。(ドラマ評論家!?)



    即ち、「恋する想い」、切ない気持ちなんていうのは綺麗ごとではなくって
  どろどろとして歪んでいたりエロっちい妄想のカタマリだ、というあたり。
  だけどこの混沌こそが人間にとっては飛躍のエッセンスであって、これにセンスや
  己の才能に正しい努力(これはマスト)が加わればものすごい高みに行くことが
  出来る。若者はそうとは知らずに意識せずに「片思い」の混乱と絶望の中から
  一つ一つキラキラした作品を作り上げていく。



    漱石だってゲーテだって文豪と呼ばれる人たちの若い頃の恋愛小説は
  皆そのように出来ている。



    ゆきずりの女の子と一夜を過ごした後、その娘のネイルに触発されて
  新作のチョコを完成させる。そのチョコをショーケースに並べつつ想い届かぬ
  愛する彼女がこれを口にする瞬間を想い描いて淫らな幻想にふける、とか。
  人妻である彼女と祝えるはずもない誕生日を妄想の世界では彼女を
  自分だけが知っている夜明けの隠れ名所に連れて行く。自分の
  頭の中だけで得られた感動のシーンを現実の世界でそっと美しいチョコレートに
  託す、とかね。



    こういう哀しくって切ない恋の昇華が突然「想い」が叶ったとたんに
  終わりを告げる。インスピレーションが湧かないのだ。
  原作を読んでないからこのようなありふれた展開が10話にまとめるための
  手段かはわからないがとにかく筋がこうなのでこれがドラマのテーマなのだと
  わかる。



    祭日の多かったイースター休暇に楽しんで見たドラマだったが
  実はこれには単なるテレビ鑑賞にとどまらぬ、思わぬ「落とし穴」が
  ついてきたのだ。




  (つづく)





          

いや、おばさんってばかですね。



2014年5月15日木曜日

患者さんに励まされて

      



      『母の具合はまあまあです。特に快方に向かっている訳でもないのですが
    一歩ずつまだ見えない光に向かって前進しているのだと励まし合って
    頑張ってます。』



           そうかい、そうかい。結局まだ入院には至っていないんだね。



             御主人がうつ病の専門病院を探して来て、今はザルツブルク(!遠いぞ!)
    にある心療内科に通っているそうだ。良かった。生命の危険があるかどうかを
    判断できるプロがそばにいるだけでもいい。何とか一刻も早く回復なさいます
    ように。ドクターも心からほっとした顔をなさっている。



              息子君、来てくれてありがとう。あんなことがあったのにそれでも
    うちを信用してくれて治療に来てくれた。




             そもそもがにきびの治療だし、そのにきびも綺麗さっぱりなく
    なっちゃってるんだから本来うちに来る理由はない。でも「身体に
    抵抗力をつけるため」と称して鍼を打ってくれという。



            多分、心配しないでって言いに来てくれたんだ。嬉しいねえ。
    患者さんに慰められちゃったよ。





ドイツではお目にかかれないと思っていた
ファンタ「グレープ味」に遭遇。
なんと2ユーロと高かったけど買ってしまった。




2014年5月13日火曜日

彼女が去ったあと








バーでさんが泣きながら去ってから数週間が過ぎた。



今も毎日のように彼女のことを想ってはご無事と一日も早い
回復を心の中で祈っている。


結局何の力にもなれなかった無力感と親しい人間関係を失った
喪失感は今もなお尾を引いているのだ。



こんなことならもっとペースを最初からゆっくりと設定して
長く治療した方が良かったんじゃないかとかあんまりあれこれ
指摘すると混乱するんじゃないかと想って言うのを遠慮していた
膨大な知識の数々を少しでも披露した方が良かったのかしらとか
ああ、何を言ってもあとづけで何が結局良かったのかなんて誰にも
わからない。でもあのときはあれがベストだったんだ。




でもやっぱりこれが「ご縁」なんだろうな。


彼女はうちを訪れたことで(願わくば)何かを得て
そして来るべきときが来て去っていったのだ。



クールに彼女を切り捨てたかに見えたうちのドクターは
翌日バーデさんの保険会社に電話してずいぶん長い間話し合っていた。
やっぱり食い下がってどの料金コード番号を使えば治療を認めてもらえるのか
とか何とか可能性はないのかと問い続けていた。



そりゃそうだ。綾ちゃんがこれだけ悔しい思いをしてるんだ。
ドクターが一番悔しいに決まってる。




この件に関してどうしても心を切り替えられないでいた頃、
不意にバーデさんの息子が自分の治療のため予約を入れて来た。





チェロのレッスン場のベランダにつぐみが卵を産みました。






ヒナが孵った!かあわいい〜!!
ベランダのドアを開けるとママが逃げちゃって赤ちゃんたちが見えた!




2014年5月12日月曜日

最後通告

      



       そして最後通告が来てしまった。


        バーデさんの保険会社は三枚目の請求書の支払いを拒否してきた。
 今後の治療に関しても。正確に言うならばうちが扱うプライベート保険適用
 治療番号についてキャパシテイーを越えているということだ。プライベート
 保険会社が適用しているタリフがあって項目ごとに料金表が細かく定められている。
 プライベート医院というのは治療費を勝手に定めて良いが保険会社からの払い戻しは
 このタリフに基づくので結局あまり無茶な料金設定は出来ない。請求書を書く時も
 各患者さんの特約(会社ごとにも個人でも異なる)を最大限考慮しながら書くし、
 請求書を出したあとで患者さんから「こっちの番号では払い戻せないから別の番号に
 変えてくれ」など毎日のように電話がかかって来る。うちも出来る限り対応して
 いるのだ。



      バーデさんの御主人がかなり頑張って保険会社とかけあったらしいのだけど
 結局三枚目の請求書はごく一部のみ還付。四枚目からは支払われない、ということで
 落ち着いた。お金は払えない、でも治療は継続したい。どうしたらいいでしょう?
 と恩情を求めたバーデさんの問いにドクターはあっさり結論を出した。私はこれ以上
 あなたの治療を行えません、と。



       「人でなし」でも「オニ」でもここいらへんはものすごくはっきりとした
 「線引き」をする。これほどシビアなケースでここまで心通わせた人間関係でも
 一線を引くんだ。いや、綾ちゃんには出来ないなあ。絶対「情」にほだされちゃう
 なあ、と思う。


  綾ちゃんは実はドクターがたくさんのケースで「タダ働き」をしているのを
 知っている。かくいう綾ちゃんが病気になった時も絶対にお金を受け取っては
 下さらない。


      毎日顔を合わせて身内のような気持ちになっているバーデさんは
 しかしこの限りではない。



               ここが辛いところだ。  





水曜日にうちの最寄り駅で大事故が起こった。
電車とクレーン車が衝突!運転手さんは重症でヘリで救助された。
幸い乗客は乗っていなかった。が、お陰で綾ちゃんは現在代替バス通勤。
二時間かけてミュンヒェンへ。


車窓はなんだか素敵なんだけど。



2014年5月11日日曜日

AIDS撲滅チャリティーコンサート

       



     子供のチェロ仲間のママ友のお誘いで久々にコンサートに行って来ました!





チケット



        誘っていただいた方はミュンヘンカンマーオケのヴァイオリニスト。
  このオケ、実はまだ聴いたことがなかった。
  チャリティーコンサートということでソリストも若手のスターを揃え
  楽しそうな演目。ショパンの二番のピアノコンチェルトとか
  シューマンのチェロコンチェルトとかいい曲満載。
  しかも内輪価格でいいことずくめ。



             夜のお出かけ久しぶり。るん。
       チャリティーらしく入り口で全員赤いリボンを受けとる。
    出演者も皆同じリボンをつけてる。ドレスコード。


ドレスコードの
おリボン





  音楽はオケの丁寧で
しっとりした背景に若々しい
ソロの響きがあふれ
とても好感の持てるものでした。
   リシエツキのピアノも初めて聴いた。おおお〜!!綾ちゃんの長男より3つ年上な
 だけ。かわいい〜!!さすが天才!美形!話題にならない訳はない!ショパンの名曲を ばりばり弾いてた〜!特に後半以降はぐぐっと引き込まれてしまった。
  
       人びとがコンサートを楽しみに来ているのがわかるような内容だったし実際に
 チャリティーだからといってただ募金箱に募金を募るのではなくって募金くじに
 なってたところが面白かった。
       幕間にホールで5ユーロのくじを買って数字が書いてあったら当たり。
 山ほど買ってる人たちがいて(募金の意味だね)でもほとんど白紙でした。
 うちはこないだコンクールで特別賞と賞金を当てた(!)ばかりの二男に
 一回だけやらせてあげた。すると • • •





おお〜!当たった〜!ラッキー男!
指のシミはサインペンによるものです。ゴメンナサイ。



景品と交換に行く




おお〜!レストランの金券が2枚!
10ユーロ以上の価値があるぞ!





後半の最後はミュンヒェン地元の若き出世頭ホルヌンク
彼のチェロはちょっと独特でこれからどんな風に成長していくんだろうって
わくわくしながら聴かせてもらっていました。



アンコールは通常、誰もが知っている有名曲が出て来るから
どの曲だろうと楽しみにしていたらホルヌンクさんが
有名なバッハの無伴奏第一番を弾いた。やったね。
そのあとメゾソプラノのカサロヴァさんが出て来てカルメンの
ハパネラを歌った。オケの男性陣にちょっかいと色気を振りまきながら。


最後は観客総立ち。お祭り気分で楽しめた素晴らしい一夜でした。