それで去年ミッテンヴァルトへ行ったりバンベルクに赴い(て
ビールを飲んだ)たりした記事をアップしました。
もちろんミュンヘン中の楽器屋さんも回りました。
でも実は最初からこういうのがいい、というモデルがあった。
お高い買い物だけど右も左もわからない。どんなのがいいんでしょうね、
先生?と尋ねた時、たまたま門下生のアンナちゃん(本名)がそばにいた。
『それがね、アンナがつい最近、すごいいいのを買ったんだ。
新品だよ。ちょっといいかな、アンナ。』
先生はアンナちゃんのチェロを借りて幾つかのフレーズを
演奏してくださった。
じーん。惚れた。
『ね、いいでしょ?これは昔の同僚で音楽家としてすごく
尊敬しているチェリストがいるんだけど、その彼のチェロが
モダンなタイプなのにものすごく音がいいから誰の作品なのか
訊いたんだ。そしたらミュンヘンの職人さんのだっていうんで
そこに連絡して買ったんだよ。』
一目惚れだった。
人間でいうとこれは「道ならぬ恋」に当たるのか?他人の
恋人に惚れちゃったわけだから。いや、違うな。
なんていうか憧れの雛形を見た夢の中のハインリッヒ・フォン・
オフターデインゲン(ノヴァーリス「青い花」の主人公。
夢の中で見た花を求めて旅に出る)に近いかもしれない。
そう、綾ちゃんはチェロの中に「恋」を見つけて旅に出ようと
していたんだ。
綾ちゃん、もしかしたらドイツ文学全作品中で
一番好きな作品かもしれない。
ロマン主義の最頂点
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