キリスト教とは無縁の環境で生まれ育った綾ちゃんが
ドイツに長く住んでいて、少しでもこの時期のドイツのクリスマスの
雰囲気に誠実であろうと考えて、独りで行っていることがある。
それは、せめてこの時期だけでも真面目になって「平和」について
考えたり語ろうと思っているということだ。
今年はそのような意味ではとても考えることの大きな年だった。
綾ちゃんにとっては(そして多くの日本人にとって)一月末の
日本人人質事件の悲惨な結末が大きな波紋の引き金となりパリの
惨劇までを震撼とともに過ごした一年だった。
この問題については武田先生が綾ちゃんの言いたいことを見事に
全部代弁してくださったのでもはや語るべき内容の無い状態だが
ドイツの人々が全体としてではあるが実に理性的になって一つ一つの
目の前の事実に対処している姿が印象的だ。
先日、ドイツ人の友人のお宅にデイナーに招かれた。日本人である
アヤコはどんな風にクリスマスを祝うの?と訊かれたので綾ちゃんは
答えた。少なくとも綾ちゃんは祝うべき背景を持たないから平和に
ついてひたすら考えることにしている、と。
自然、現在のシリア問題について延々と話し合うこととなった。
ドイツ人は本当に議論好きな人たちだ。そして気持ち良くスマートに
意見交換を行うことができる。綾ちゃんの仲良しだからということも
あるけれど彼らはほぼ綾ちゃんと同じ思考回路を持っていて、
最終的に政治を語るために平和を語るためにきちんとした歴史の勉強を
続けていくことが重要だ、というところに落ち着いた。
世相を見渡すと大きな無力感に陥ることの多い私たちだが
小さな明かりを灯すように生命を大事にしたり自分を守るような
気持ちで他人の心の尊厳を尊重することを学んでいきたい。
メリークリスマス。
今年を締めくくる綾ちゃんのイチ押しはもちろんURUさん。
Silent Night
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