『私も学校も勉強も嫌いだったわ。
でもみんなそれぞれのペースがあるの。
いいのよ、ゆっくりで。』
そんな風に笑って優しく子どもに話しかけるカリンさんはとっても素敵な人で
長い黒髪と大きな青い澄んだ目がひときわ印象的だった。
すごいなあ。たとえドクターがどれほど「いい人」であったとしてもこれだけ中国中国してる人と始終上手くやっていくのは絶対大変なはず。ドイツ人の彼女には理解出来ない
ことだらけなんじゃないんだろうか。
それから、やっぱりすごいのはドクター。中医学の「腕」がどれだけすごいかは
あの時点ではわからなかったけど、プライベート医院として、かつて私自身が
夢見ていたこと、もし自分が自然療法家として独立したらこんな風にしよう、
あんなこともしよう、と考えていたことを目の前で全部やってみせている。
しかもすごく自然に。
医者として、治療家として必要な資質を全て取り揃えているように見える。
なんて言うか、相手を和ませてすぐに信用させてしまうような、誰でも友達に
してしまえるような雰囲気の持ち主だ。
私自身はあまりドクターとは直接話をしなかったけれどこっそりしっかり
観察していた。ここがいかに素晴らしい病院かを。
カリンさんとドクター、とてもいいコンビネーションで和気あいあいと
働いているように見える。実際にその場に立てば色々難しいこともあるに違いない。
だけど明らかにここにはギスギスした雰囲気が感じられない。
いいなあ。いいなあ。例えば、こんな職場でお勤め出来たらいいだろうなあ。
週1〜2回のバイトでもいいから使ってくれませんかって頼んでみようかなあ。
なんとなく、私は心の中でドクターとカリンさん、その中に私がいる風景を
頭の中でこっそり思い描くようになってきていた。
本文とは関係ないんですけど
日曜日にお役所主催(これはドイツとしては異例。休日にお役所の人が
働くなんて。)の放棄自転車オークションに行ってきました。
ものすごいボロから立派なものまで50〜200ユーロ位で「競り」落とされて
いきました。結構面白かったです。 Photo by Jiro Y.