2013年8月24日土曜日

ベルヒ先生〜闇の中の出発〜






      結婚して子供が出来るのは幸せなことじゃないのかな?





 例えば私たち夫婦は幸せに結婚して幸せに子供が出来た。誰からも祝福されて
順風満帆だったといえる。それほど豊かだった訳ではないが食べていくのに
困ったようなことはない。




 現在、ドイツ政府は以前のように外国人に対して簡単に滞在ヴィザを出さない。
共産圏の国の人に対してはよりキビシイ。中国の人なんか観光ヴィザでさえ
一回一回申請に行かなければならない。(ちなみにこの夏、ドクターは80歳になる
お父様をドイツに呼ぼうとなさって観光ヴィザをお役所から拒否された。お若い頃
ドイツに留学歴を持つお父様はドイツ語ぺらぺら、これまで数十回にわたりドイツに
遊びにきてらっしゃるのに。拒否された理由は「高齢だから」というものだった。)



 ベルヒ先生の奥様はロシア人だ。しかもドイツ語が出来ない。言葉が出来るというのは
現在滞在ヴィザを取得するための大きな条件となっている。しかも受け入れ先である
夫のベルヒ先生は無職。これはイタい。




 新しい家族が出来る。身重の、ドイツ語の出来ない奥様を守るためより良い
条件の職場を探すのは大変だったのだろう 。




 ドクターの奥様がしみじみとおっしゃった。彼女も結婚後三ヶ月で
ご主人と離ればなれになり再会したのは5年後、ドイツ語も全く出来ない状態で
すぐに妊娠。お金も職もなくドクターのアルバイトだけで食いつなぐ毎日。愚痴る相手も
いない孤独な日々。生活も習慣も何もかも違う。昔は海外通話もべらぼうに高くて
電話だって出来ない。ひきこもりの状態になったって。だから気持ちがすごく
わかるわって。



 そう、結婚や出産、そういった人生の転機というのは多くの場合
暗闇からの出発だったりするのだ。






        夏休み本番!Kletterinsel(クレッターインゼル)という
        アスレチック場にやってきました。二男と私のお友達
        A.I.さんと三人でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿