2014年4月27日日曜日

治療費物語 〜序文





この話題は出来れば避けて通りたい。



、、、と思っていた。でもバーデさんの背中を撫でながら
やっぱり語ってみたくなってきたんだ。
これは大きなテーマなので少しずつ整理しながらに
するけれど。


バーデさんの涙はお門違いだと思うから。
可哀想だけれど。




綾ちゃんはこれまで幾度となく似た様なシチュエーションに
出くわして来た。昨日みたいに。



それまでの私たち(医療チーム+患者さん)は家族のように無二の親友のように
戦友のように戦って来た。
この世に私たちだけが取り残されてしまった人たちのように
共に密な時間を重ねあわせて。
共感したり焦ったり失望したり小さな出来事に
喜びを分かち合ったり。


こんな日々をずっと過ごしながら「回復」という最終ゴールまで
共に手と手を携えながら走っていくのだと、そう信じながら。


その幻想は一瞬にして雲散霧消してしまう。
「カネ」という現実の前に。


そう、私たちは家族でもなければ無二の親友でもないし
戦友でさえなかった。
お金で細々とつながっているただの商売人と
客の関係だったんだ。




「治療費」がテーマだけれど、それは後回しにして
まずはバーデさんのことを話そう。






うちの病院はミュンヒェンの中心地。交通の要所。
トラムの停留所に花壇があってとりどりの花が植えられている。



突撃となりの晩ご飯!で突然あすかさんちをゲリラ訪問。
ミュンヒェン大学の裏手ですごく便利な場所にお住まい。
突然の訪問にもかかわらず暖かく迎えてくださった。



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