2014年4月4日金曜日

男と男の物語 十四

        



            ワタクシが浅はかでした。



   そう。冷静になって(後から)考えてみると全てがあほのように自明の理として
思えてくるのは何故だろう?

     綾ちゃんは本来勘のいいほうでも何でもない。むしろニブイヤツなのだ。
その綾ちゃんがピンとくるなんて事態なら誰の目にも明らかなことである、
というだけのこと。とほほ。



           情報だっていつも一番最後だしね。



      綾ちゃんはTさんの「名誉」にかけてこの件は口外してはならないと
思っていたけれど、じゃ、Tさんの名誉ってなんなのよってくらい彼とバースの仲は
世間に知れ渡っていた。


      ツアイル(フランクフルトの買い物街)を二人で新しい箒とちりとりを抱えて
(新婚生活?)仲良く歩いていたとか黄昏のマイン河畔を腕を組んで(!)歩いていたとか
肩を組んでたとか、挙げ句の果てにはキスしている場面を目撃したという情報まで
あった。ただし、実際にバースさんと会って話をしたことのある人間は綾ちゃん一人
だった。きっと綾ちゃんなら紹介してもOKだと思った、のかな?




          

ハウプトヴァヘからツアイルへの目抜き通り



黄昏のマイン河畔は男同士で歩かないで欲しい。きもい。




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