2014年4月4日金曜日

男と男の物語 十五

  



        そうこうするうちに綾ちゃんは同僚の紹介であるお得意様の企業の
   人々と仲良くなった。この会社はいわゆるベンチャーで社員も全員若くて
   気安く付き合える人たち。そしてそこは例のTさんがうちに来る前に勤めていた
   企業でもある。どこの企業もヨーロッパ内ならば同じ屋根の下のようなもので
   ロンドンとフランクフルトとは言え彼らは元同僚としてTさんの「過去」を
   知る人々でもあった。


        なるほどこれなら今更何かを隠しだてするなどどだい無理ではないか。



          ある時綾ちゃんは彼らの内輪の「飲み会」に誘われた。そこでやっと(?) 
   Tさんの「正体」というか「ウワサの真相」というかとにかく彼らの「理解」を
   聞かされることになる。



      即ち Tさんは正真正銘(?)のホモセクシュアルの男性なのだと。
    そしてロンドン時代もその醜聞で職場を追われる羽目に陥ったのだと。





近所の道路にすみれが咲いていた。



患者さんが持って来てくれたチューリップ。




これも患者さんから。


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