2020年7月12日日曜日

サムサノナツハオロオロアルキ



冷夏だ。


去年の今頃の時期の暑さを覚えているが今年は随分様子が違う。
暑い日が来ても長く続かない。
寝苦しくて困るという夜がない。
今日もせっかくの週末なのに夜半から冷たい土砂降り。
それでも晴れ女の綾ちゃんがお出かけする頃には雨が上がった。


やってきたのは森の墓地=Waldfriedhof。広大な敷地だ。
ドイツにお住いの方もドイツの墓地を訪れた経験は少ないかもしれない。
誰でも入れます。


正門からの通り。広々としたまさに森そのもの。


立派な庭園を見るような感激がある。


1つ1つの墓石が立派で森の美術館に来たような気持ちに。

ところが目的の場所に到達してショックを受けた。
ここは、いわば無縁仏にも似た閑散たる区域で
墓標もなければ何も無い。
それを「木葬(Baumbestattung)」というのだと初めて知った。

木の幹1mほどの高さのところに6つの小さな名札が識別できるだろうか?
この木の根元に6人の遺体が埋葬されている。
土によって腐蝕する素材でできた棺に入って。
死後、土と一体になり木の栄養になり自然と同化する。

その埋葬法の思想に感銘を受ける。
ここまでに見てきた立派なお墓がむしろ空虚に思えてしまうほどだ。

見逃してしまいそうな小さな名札。下から2番目にいっちゃんの名が。
いっちゃんママからのメールによれば
ここには花などを置く以外の全てを禁止されていて
(おそらくローソクもダメ)それでも「その」場所を見失わないように
ママはしょっちゅう金色の石を置きにきているのだとか。
管理人さんに取り除かれても
なんどもなんども。

我々が到着した時にはやはり目印の石は取り払われていた。




長男と二人でお花を飾ってみた。
数日しか持たないだろうけれど。

いっちゃん、遅くなってごめんね。
ゆっくり眠ってください。
これからも私たちをしっかり見ていてね。


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