2019年2月7日木曜日

音が言葉を紡ぎ言葉が音を紡ぐ




    日曜日は綾ちゃん息子の誕生日で親子3人でコンサートに行った。


                                         



    ウイーンの巨匠、ブッフビンダーは長男が3歳で初めてついたピアノの
   先生の師匠でもある。今回はとにかく曲がいい。きらきら星にシューベルトの
   即興曲の通し、ショパンの3番のソナタ。もう行くっきゃない!

   カールス門の駅から地下鉄に乗り換える時、たくさんの着飾ったお年寄りたちに
   出くわしてこれはもしやと思っていたら皆、同じコンサートのお客さんだった。
   日曜の午前中のマチネにほとんど満杯の聴衆たち。


    ロマンスグレーのブッフビンダーが、誰もが知るあのきらきら星のテーマを
   奏で始めた瞬間、(綾ちゃんの貧弱な耳には)なんだかえらく「平凡な」音に
   聞こえたので、えええ?嘘でしょう?と思ったんだけれどそのあとの展開が
   すごくて驚くほど色んな音色が耳に入ってきた。聴かせてくれる。
   不覚にもいきなり涙があふれちゃったんだ。モーツアルトさんがこの演奏
   喜んでるだろうなあって不意に思って。



    だけど最近シューベルトにハマりまくっている綾ちゃんとしては
   今日の本命は3つの即興曲。(息子は楽譜まで持って行って楽しんでいた。)


                                             

    最近綾ちゃんが急にシューベルト狂になったのは、なんていうか、
   綾ちゃんの文学好きと大いに関係あると思う。
   シューベルト節の中で語られる「物語」「詩」や「言葉」がちょっとだけ
   「わかって」きた気がするせいなんだ。



    物を「書く」人はね、書かれたものがリズムや音楽になるように必ず
   気を配るものなんだけれど、同じように音を紡ぐ人は音楽が主張を持ったり物語や
   詩になったりするようにする。
   シューベルトの紡ぐ「音」は最近、綾ちゃんの中ではっきりとした言語になって
   アタマに流れ出してくるみたいなんだ。


    じいいーん。忘れられないコンサートになりました。
   アンコールも名曲オンパレードでトルコマーチやショパンのエオリアンハープ、
   バッハも弾いてくれた。ああ、幸せ!


    贅沢なひと時を楽しんできました。
   

    

0 件のコメント:

コメントを投稿