2019年12月9日月曜日

初雪に逝く人



朝目が覚めたら雪が積もっていた。



白黒の世界。

初雪だけれどモノトーンの世界。
この世が丸ごと異世界へタイムワープしてしまったような
とても違和感のある朝だった。




そしてニュースを見て識った。
また一人私たちは誰か大切な人を失ってしまったのだと。
綾ちゃんは彼に会ったばかりだった。あれは10月の半ば。ガスタイク。
彼は綾ちゃんのお気に入りの一曲、ブラームスの4番のシンフォニーを
驚きの巨匠然としたものすごい演奏で聞かせてくれたばかりだった。



綾ちゃんがあの日、大感激して「今日まで生きててよかったー!」とさえ
思ったその日から2ヶ月と経っていない。


誰しも先に逝ってしまいただ私たちが後からやってくるのを
穏やかに待ってくれているだけなのだと判っていても
それでも身にしみる。
冷たい骨に染み入るようなドイツの冬の寒ささながらに。


ヤンソンスという名の偉大な音楽家を全人類が失った。


なんだかもうやりきれない。

今年になって一体どれだけの人を失ってしまったのだろう。





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