2014年8月17日日曜日

悲痛の叫び

        


         『ほ、本当にドクターがそう言ったんですか?後生だからもう助けて下さい。
   おおお!おおお!うおおおお!!』




            ああ~あ!!唸り出しちゃったよお。獣みたいに叫び続けるおじいちゃんに
   怯え、慌てて報告に向かう。今日は病院は超満杯。全室患者さんでふさがって
   いてそのうち一人は初診の方。




             『あのお、おじいさん、随分お辛そうなんですけどどうしてももう一度
    鍼を打たなければなりませんか?』




           ドクターもあっちに行ったりこっちにきたりで大わらわ。

                『あ、そうね。もうちょっと待っててもらって。』



          ドクターがたったこれだけのことを言い終わらぬうちに呼び鈴がわんわん
  鳴る。おじいちゃんだ。あのお、ドクターがやっぱりあと少しだけお待ち
  下さいって。




          なんて綾ちゃんの言葉も耳に入ってないみたいにうおお、うおお、と獣の
  唸りは続く。綾ちゃんがドアを出て別の患者さんのところに行こうとすると、
  またしても呼び鈴。おじいさん。あれから2分も経ってないぞ。
  一瞬、次の行動を迷ったが廊下に出てきたドクターと目があって目配せして
  自分の持ち場に行った。ドクターが自分であの惨状を目にするべきだ、うん。




       

           足つぼは意外に鍼を打たれても痛くない。
           でも京骨(けいこつ)は刺されるとき結構くる。
           マッサージにはとてもいい場所。



0 件のコメント:

コメントを投稿