2015年5月4日月曜日

綾ちゃんの見立て



                        現在のマヌカン嬢の主訴は頭痛。しかもかなり激しい。

                        ドクターの治療の甲斐あって婦人科の症状は随分緩和されたそうだ。
     いやはや漢方恐るべし。ただし頭痛は退かない。頭痛の場所が毎回変わる。
     痛みかたもその都度違う。これは症状が固定された型から流動的になったと
     いうことなので、漢方治療が何らかの影響を及ぼした、と見るのが
     自然療法的だ。あと一押しな気もする。



                         でも、ここまでの綾ちゃんとマヌカン嬢とのお付き合いで綾ちゃんは
     彼女にある「イメージ」を持っていた。ある「仮定」のようなものと
     言えばいいのだろうか?彼女の病気が、何か彼女の深いところ、例えば
     彼女の生い立ちとか、そんなものからきたわだかまりの発露なんじゃ
     ないかって。


                          それで綾ちゃんは彼女にそれとなく話題をフッてみた。お仕事、
     大変な時もおありでしょうに。体調の悪いとき、頭痛のひどい時も
     おありでしょうに、いつも優しく親切にどなたにも接してらして
     ご立派ですね?



                    『そんなことありませんよ。ここではドクターもヨシオカさんも優しく
     してくれるから私もにこやかにしていられるだけで、外の世界では
     中傷やら妬みやら汚いこと、嫌なことだらけ。私、毎日毎日、自分の
     怒りをどこにぶつけたらいいやら途方にくれてばかりなんです。』



                       綾ちゃんは、この彼女が、だからといって職場やプライベートで
     怒って泣き叫んだり、他人に意地悪したりしているようには思えない。
     おそらく負の感情をぐぐっと内側に押し込んでいるんじゃないかな?




         そして おそらく キーワードは インナーチャイルド



                           綾ちゃんは彼女の主治医じゃあないから彼女を問診する訳には
      いかないんだけど自主的に彼女の治療をやってみたいという気が
      むくむくと湧いてきてしまった。反則なんだけどね。

                            そう思うのには訳があるんだ。このマヌカン嬢、実は綾ちゃんの
      知り合いの女性と大変似ているんだ。症状とそれから、彼女の
      持っている「オーラ」のようなものが。見た目とか、立場、
      年令などには全然共通項が無いんだけれど。

                                その話をこれからしてみようかな?



ドイツ代表




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