2013年3月25日月曜日

夫と妻と犬と私  ⑥




               ぽわわ〜ん。




      とろけるような感触。もう、一目惚れ。なんて素敵なお方。



 彼の事をどう表現したらいいのだろう。顔立ちはアルプスの少女ハイジに登場する
アルムのおじいさんをもう少し細くしてインテリジェントにした感じ。端正な顔立ちが
知性の光を受けてオーラを放っている。



 賭けてもいい。彼はこれまで84年間(!)の人生で出逢った女性という女性の
ほとんどを魅了して来たはずだしきっとその数数百人は下らないはずだ。
そして彼は自分の魅力を意識している。穏やかに微笑むそのまなざしはしかし
奢りなき謙虚さに満ちている。




 信じられない。あれだけ事前にガルミッシュのおばあちゃんから彼の悪口を
聞かされていたのに、今はそれらの何一つとして思い出せない。あと16年、
彼に遭うのが早かったなら、そして彼にプロポーズなんてされちゃったらお受けしちゃうかもしれない。どうしよう。(どーしようって何も心配する必要ないんだけどね。)
でも、彼のまなざしと彼の微笑は私を魅惑しようとしているように、そして
個人的な意図があるかのように映ってしまうのだ。




 こんなに素敵な方だったんだ。おまけに肩書きは元医学部の大学教授兼音楽家
(オルガニスト)。医学部と音大と両方出ている。



 ガルミッシュのおばあちゃんの持っている高貴で華やかな雰囲気が彼のオーラと
マッチしてもはやベルばらの世界(?古過ぎ?)。これが夫婦だなんて
エキセントリックとはこのこと。彼の4人の妻のうちの2番目の女性を伴って
いけしゃあしゃあと「私の妻」と呼ぶ。




 彼が魅了するのは女性だけではない。うちのドクターも、あの、独特のオーラの
持ち主さえ彼に圧倒されているのが(私には手に取るように)わかった。



 もちろん私は普通に接したつもりだし先生もそうだったけどね。



(つづく)






        やっぱり今日はベルばら。この漫画の大部分のエピソードが
       ウイーンを代表する作家シュテファン•ツヴァイクの
       「マリー アントワネット」に由来しています。名作を下敷きにした
       厚みのある華やかな作品でしたね。








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