2013年2月11日月曜日

片一方のスッポン  躁病か?




  『いやあ、看護婦さん!(えっ?わたしのこと?)あなたの優しい手で毎日
  癒してもらえるならもう、私は一生ハッピーでいられるなあ!
  是非私と結婚してください。毎晩指圧してもらって(ええ?)
  にこにこ笑顔を絶やさず(ぶっ!)どんな無理を言っても「ハイ」って
  従順に従うあなたは私にとってまさに理想の女性。(えええっ!?)』



  『え?もうご主人がいらっしゃる?ああ、ご主人があなたのような方を手放す訳が
  無いなあ。うう、うらやましい。あなたのような方が毎日側にいて優しく仕えて
  あげるんでしょう?あなたと結婚できないなら、あなたのお姉さんか妹さんとか
  従兄弟とか姪御さんとかいませんか?わたしにとってあなたは特別な人なんだ。
  私は次に(!)結婚するのはアジア人と決めているんだ(ちょっとお〜!)。
  看護婦さん(!)のご親戚ならきっとあなたに近いオーラを放っているに
  違いない。是非誰か紹介してください。』



 アルジェリア人の彼は黒人でちびで全身毛深い42歳。しかもものすごい汗っかき
なので身体のどこに触れてもびしょびしょで診察台のシーツの上に敷いたタオルも
いつもじっとり濡れている。衛生上の理由から指圧の際には上にタオルをもう一枚
かぶせているほどだ。


 工場勤務の彼は職業病で頭痛などいくつかの疾患を抱えていたが、うちの治療で
劇的に症状が改善した。もう治ったなら通ってくるな!と言いたいところだが
「免疫力をつける」とかであと数回はくるらしい。



 とにかく明るい。よくしゃべる。そして私をくどきまくる(職場の花?)。
私の年齢を激しく誤解している。これはよくあることだが
ヨーロッパの人はアジア人の年齢を実際よりずいぶん若く勘違いしてくれる。
結構愉快だけどね。在独20年というと『えっ。子供の頃からいたんですか?』
とかよく言われる。15歳の息子がいるというとヤンママと思われるし。
ちなみに日本人の知り合いの人で私の年齢を誤解する人なんていないよ。
ただのええ歳こいたオバはんじゃん。



 疲れることにこの人は、もし、私が独身なら、私が彼の愛を断る訳がない
とかたくなに信じている。
さらにうっとうしいのはアジア人の女性は男性に対して100%服従するものだと
思っていることだ。(だから彼の愛も断る訳がない、というすごい理屈)
『ご主人との関係に少しでも曇りが生じたら(!)すぐに私にご連絡してください。
私が一番に名乗りをあげます。』 100%服従するんだったら曇りなんか
生じる訳無いでしょう!




 もう、女性と見たら誰にでもああやって口説きまくってるのかなあ。




 とにかく彼の「治療」を全力を挙げてする以外に無い。一刻も早く完全な健康体にして
高額な請求書を送りつけて退散させるのが最も円満解決の道だ。



 がんばろうっと。













ウインナー•シュニッツエル(ウイーン風カツレツ)ミュンヒェンのお店にて。
ものすごく大きかった。主人と二男が食べました。こんなのばっかり食べてるから
こっちの人は肥満体でふけ顔になっちゃう?     photo by Jiro Yoshioka

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