2013年2月26日火曜日

プロフェッサーのお友達 ⑥




           ラルフ君が来始めてから今日で10日目。
          そして今日は彼の20回目の誕生日でもある。



 ドイツでは誕生日を迎える本人がケーキを持って来るしきたり。彼は冷凍食品の
ケーキを下げてやってきた。ふふふ。私も彼にプレゼントをこっそり持って来たのさ。
ドクターの顔を潰さないよう、参加させてあげる。これにお花をつけて、私たち
二人からの贈り物ってことにしませんか?(よ!さすが名アシスタント!)


 ということで先生にお花代を持ってもらい準備万端。お昼休みに患者さんを
巻き込んでみんなで一緒にお昼ごはんをとりながらハッピーバースデイを唄う。
(先生、実は歌がお上手。)ラルフ君、こんな大げさな事になるとは
思っていなかったらしく恥ずかしがりながらもものすごく喜んでくれた。
彼にとって、ここで働く事ってとっても大変な事なんだ。みんなで励ますよ。ラルフ君!



 私はラルフ君に一冊の本をプレゼントした。



        リルケの『若き詩人への手紙』




 この本は若者の必読の書。詩人志望の(世間から認められずに苦しんでいる)若者に
リルケが手紙で語りかけるという(架空の)作品。20歳の誕生日を迎えた
職業研修中の彼にぴったりだと思ったんだ。



(つづく)





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