2013年4月16日火曜日

南の島から来た彼女  ①




        職場で培った「友情」っていうのはなんだか切ない。




 例えば職場の同僚。ドクターは上司だし奥様もやっぱり上司に近い。
うちはお掃除の人も含めてみんなすごく仲良し。このあいだドクターとお話ししてた時に
私たちの関係を形容する言葉を探してて、やっぱり「友情」って言葉に落ち着いた。上司に対して失礼は承知だけれど、お互いに対する尊敬の気持ちとか大切に想う気持ちとかが
職場の雇用関係を超えて対等なんだ。
どっちかっていうと家族の一員みたいな感じでもあるんだけどね。ドクターも、うん、
うん、ってうなずいて、そうだよね、吉岡さんとは素晴らしいご縁で友情をはぐくめて
いるよねってしみじみおっしゃってくださった。



 それでも、こういう関係っていうのはなんだか儚(はかな)くってやっぱり家族でも
ありえない私たちはきっと時間が経てばまた人生の別の場所へとすれちがっていってしまう。おとつい、カリンさん(私の前任者、仮名)が遊びにきてくれた。4年勤めた彼女とドクターとの絆は私とドクターのものとはまた違う色合いがあって強く、深い。




 これが患者さんとの友情になるとものすごく微妙なものになってしまう。患者さんの
治療中はものすごく密な時間を過ごしていてお互いの事をすごくわかり合えたような
気持ちになる事がままあるのだけれど、ほとんどの場合それまでだ。ましてや私は単なる
アシスタントで治療の主役は先生。先生でさえ長く維持している「友情」と言える
患者さんの数は決して多くない。病院と言ってもしょせんは商売。カネの切れ目が
縁の切れ目に結局なっちゃうんだよね。



    この人との友情は本物かもしれない、そう思わせてくれた女性との
   出会いについて書いてみます。



(つづく)



                  福岡タワー


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