2013年7月3日水曜日

ドクターの負傷  ④


       さて指圧のお時間。


 とはいってもあまりツボや経絡とは関係ない。こういう時にはずばり損傷箇所を
刺激する。無理の無い範囲で。
これが普通の患者さんだったらかなり注意してそろりそろりとやるんだけどドクターは
思いっきりやれとの御注文だ。めちゃくちゃに痛いらしく顔をしかめ足も痛さにびくびく
震えている。本当にいいのかなあ、こんな乱暴なやり方で。


 昨日も痛みであまり眠れなかったらしく、私が(やっぱりやり過ぎじゃないかと
思って)周囲をさすったりなでたりしてる間に気持ちよくなったらしくすうすう
眠り始めた。
私は私で、最初にドアのところで見たドクターの姿(奥様に抱えられてるやつ)が
あまりに衝撃的でものすごく動揺してしまってなんだか涙があふれてきてしまった。
一生懸命こらえて悟られないよう、こっそりキッチンペーパーで目元を拭った。


 もうちょっと、もうちょっと、と指圧を続けていると
「朝ご飯にしましょう。」(は?)と声がかかった。お料理上手の先生の従姉妹さんが
台所で朝食のご用意をなさってくださったのだ。


(つづく)

          

この日は中華風すいとんが朝食メニューでした。
麺とかおかゆとか汁物の朝ご飯が多いみたいです。

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