2015年9月9日水曜日

しかし慰めの言葉も出せない時がある




      しかし慰めの言葉も出せない時がある。





   生まれ変わりの話題や宗教の話をするというのは結局慰めに過ぎないのだろうか。




   なんだかそんなこんなで最近の綾ちゃんは患者さんとこのテの話を次々に
  している。綾ちゃんがよく話題に出すホメオパシーの永松先生が授業の際
  



      『ホメオパスというのは結局医者とお坊さんをミックスしたような
      職業です。』




  とおしゃっていた言葉が身にしみる。ホメオパスの所は自然療法家全般と
  置き換えていいな。政治の話題であろうが輪廻転生であろうが
  喋るからにはそれなりに理解していなければいい加減なことは言えないから
  事前勉強にも熱が入る。治療家は小手先の治療だけできればいいわけではない。
  信頼して心開いてもらえるように自分磨きが大切なんだ。




   が、あと半年で抗がん剤治療が終わるという今になって癌が再発してしまった
  というヒュールさん(仮名)から再発の知らせを聞いた時には私の方も
  倒れてしまいそうなほどショックを受けた。



   ヒュールさんはうちの古い患者さんでまだ全然お若い。40歳になって
  らっしゃらないんじゃないか?もともと彼女のお母様が患者さんで
  うちとの付き合いはとても長い。




   彼女の髪の毛が全て抜けてしまって170cmの身長で48kgまで痩せて
  それでも頑張ってらっしゃったのに。あと一年、一年を切った、9ヶ月、
  7ヶ月と一日一日ゴールを指折り数えていらした。ここのところはずいぶん
  顔色も良くなって髪の毛ももとどおり。おしゃれして輝いている姿を眩しく
  拝見していたところだったのに。 




   高齢のお母様もぐったりなさって持病が悪化なさってしまった。




     さすがの綾ちゃんももう慰めの言葉が出てこない。







               天地真理  童話作家
        綾ちゃんがさだまさし好きなのはやっぱり歌詞が美しい
       からなんだけど天地真理さんがこの名曲をこんなに美しく
       歌っていたとは知りませんでした。ご存知ない方のために
       歌詞を添えておきます。



   "私が童話作家になろうと思ったのはあなたにさよならを言われた日。
  もとよりあなたのほかには生き甲斐などないし、さりとてこの世を見つめる
  勇気もなかったし。今まで二人が過ごしたあらすじを想い出という消しゴムで
  消して夢でも食べながらひっそり暮らしてみよう。あなたの横顔を思い出さずに
  すむように。 

   私が童話作家になって思うのは「本当」を書くことの難しさ。
  だって私自身がとても嘘つきで涙を隠しては笑って過ごしてる。
  原稿用紙に色鉛筆で倖せの似顔絵描いては見るけど哀しいくらいに
  駄目な私の指先は気がつけばいつでもあなたの笑顔を描いてる。


   私が童話作家になろうと思ったのはあなたにさよならを言われた日、、。"




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