2012年11月16日金曜日

プロフェッサー ④



 漢方の言葉で「瞑眩(めんげん)」という。


 わたしはホメオパシーを長くやっていたのでこの現象はよく知っている。
ものすごく重要なテーマだ。日本語では「好転反応」が近い訳だと思う。



 自然療法では患者さんの自然治癒力を高めることで病気を治すので
身体が良くなろうとしたときにコンディションが「揺さぶられ」
一時的に具合が悪くなる現象である。これで死んじゃったり悪化して
それきりになってしまうことはない。むしろ身体にとって良い知らせなので
「好転」反応というのだ。回復はふつう
     1、何事もなく順調に治る。
     2、好転反応の後、回復に向かう。
     3、何事も起こらない。
の3通りだがこの中では実は3番が最悪だ。鍼•漢方の場合はゆっくり回復する
ケースが多いので最低10回は続けて鍼を打ちに来て欲しいものだが
それで何事も起こらなければこの療法が患者さんに合っていないかも
しれない。
身体の具合が一時的に悪くなるのは本来、良いきざしなのだ。




 けれど患者さんにとってはたまったものではない。
病院に来て症状がひどくなるとは何事だ!っということになる。


 前もって誰にこの反応が出るかわからないし、あんまり
前もって脅すのも良くないから、うちの先生は事前に
このテーマを周知しない。ま、どっちにしたって用意周到な
タイプの人じゃないからね、先生は。


 うちの病院で私が見た限りでは、この瞑眩現象はお年寄りの方、
主訴が頭痛やめまいなど頭部にある方に圧倒的に多い。
(ちなみにホメオパシーをやっていた頃は明らかに赤ちゃんなど
小さい子の方が好転反応が出やすかった。不思議だなあ。)



 プロフェッサーはこの現象に「かかりやすい」タイプの人らしい。
ずいぶん後になってプロフェッサー本人からこの反応が出ることに
ついて、うちの先生はよく「失敗」するのだというコメントを聞いた。
それは違いますってこれこれと説明したのだがイマイチ不満そうだった。



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