2016年4月2日土曜日

キミかあなたか、それが問題(綾ちゃんドイツ語講座)




    英語には一種類しかない二人称ユー。でもドイツ語にはドウー(親称、キミ)と
   ズイー(敬称、あなた)なんて二種類もあってややこしい。



    今でも書かれているかどうかわからないけれど、綾ちゃんの大学の
   ドイツ語初級の教科書には(確かNHKのラジオ講座のテキストにも)
   主に使用されるのは敬称のズイーの方、とあった。



    これはとても誤解を招く記述だ。ズイーとドウー、どちらがドイツ国内の
   総会話量で占める割合が多いかというともちろんドウーに決まっている。
   統計なんんて取る必要もない。家族や友人、ほとんどのプライベートな場面で
   使用されるわけだから。



    どうしてこんなことが書いてあるのかというと、教科書が大学生の教養課程の
   もので「教養」としてのドイツ語を学ぶための本だということ、将来ドイツを
   訪れるチャンスができた時、旅行や学会、出張など大人としての公の人間関係を
   築くことが想定されている、ということなのだと思う。 



    こういう発想はとことん正当で立派なものだと思う。実は親称、敬称問題は
   結構根が深くってこれからドイツ語を始めようという若者に、実はこれこれ
   こうで、、、と説明するとせっかくのやる気も萎えてしまいそうだから
   とりあえず「無理やりどっちかを選択しなければならないのならば」
   敬称ズイーにしておきなさいという「忠告」だと受け取っておこう。
   ナイスなやり方だと思う。
   このことは重要なのでブログの読者の方、今の流れを覚えておいてほしい。
   これは一つの知恵だ。いざという時にはズイーの方が失敗しない。



    そして文法の欄を見ると人称代名詞の変化は敬称ズイーの方がはるかに
   楽チンだ。なーんだ、だったらこれだけ覚えておけばいいやなあんてズルして
   いると後で実際にドイツに行ってひどい目にあう。綾ちゃんもしかりだった。
   留学なんかでドイツに行くと周りは親称ドウーの洪水、しかもドウーの複数形、
   イア(キミたち)の変化形なんて出てくるじゃないか。



    ドウーとズイーの選択は境界線上では難しい問題を含むことも多いけれど
   いくつかはっきりとした「とりきめ」がある。特にドウーの決まり。
   例えば Studenten dutzen. (シュトウデンテン ドウッツエン)。大学とか
   カルチャーセンターでも水泳教室でも「生徒」同士はドウーを使う。
   先生とは普通ズイーだがこれは先生の方針次第だ。ただし大学で教授と
   ドウーはありえない。



    かくして、留学でドイツを訪れた若者は日本のドイツ語教師たちを
   恨む羽目になる。◯◯先生のうそつきー!!ってね。





        暖かくなりました。昨日の朝、家を出るときは2〜3分咲き
       だったのに帰宅時にはこんなに開花していた。さくらんぼだと思う。







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