2016年4月4日月曜日

おそらくより陰湿ないじめ(綾ちゃんドイツ語講座)




    この話題を公開することに少しためらいがあるんだけれど、、、。


  一度別の話題で触れたことのあるミヒャエル。(えーと、綾ちゃんはこれまで
 数多くのミヒャエルという名のドイツ人と出会ってきたけれどどいつもこいつも
 記憶に残るエピソードの持ち主だなあ。今日のミヒャエルはフランクフルト時代
 綾ちゃんの同僚だったミヒャエルです。)
 彼はのんきで気弱で優しすぎる性格の男だった。とことん仕事ができない。
 以前、彼の話題をブログに書いた時、彼は社内でいじめにあって泣く泣く
 会社を辞めていったらしい、という表現をした。綾ちゃんは先に結婚退職したので
 詳細を知らないが彼のトラブルがどんどん大きくなっていく過程は垣間見ていた。 



  彼は学校時代から学習能力が低かったが性格的に温和で人当たりが良かったため
 本人の希望で我々の業種の、接客業に就きたかったらしい。ただそちらはうまく
 行かずに事務系での採用となったということだ。我々の職種は別に日本企業で
 なくてもドイツにも大会社がある。が、そちらはいかなる部署も採用してはくれず
 最初に内定をもらったのは韓国の会社であったらしい。そこで壮絶ないじめにあって
 (ヨーロッパのキャリアに就職する見込みは薄いので)アジアの同系統の会社を
 転々とした後、若い日本企業であるうちに来たという話を後から聞いた。


  あまりにも仕事ができなくて、あまりにも周囲の同僚に迷惑をかける。そのくせ
 何の反省もなく(少なくともそう見える)定時出勤、定時退社でニコニコしている。
 彼の部署には男性二人、女性二人だったがいつもいつも彼の尻拭いに明け暮れる
 日本人女の子二人がある日ブチ切れた。


    『いい、ミヒャエル!これ以上、アタシはあんたに我慢できない!
    口を聞くのも嫌だと思ってるの。そもそもドウーで呼んでるのも
    いやなのよ!これからはあんたとは極力口をきかない!
    絶交だからね。ドウーで呼ぶのもやめにするわ!』



   綾ちゃんはその話を数日後に別の同僚から間接的に聞いてゾッとした。


  ドイツ人とドウーで会話をしてそれを取りやめたなんて話は聞いたこともない。



  綾ちゃんの頭の中では親称を使うか敬称を使うかという問題はほとんど相手との
 契約事項であって、何が起ころうとこれを一方的に覆すなんてありえない。
 喧嘩しても絶交してもそれは当人同士の勝手だけれど、ドウーをズイーに変えるなんて
 とんでもない発想ができるのは、この彼女が日本人だからだ、と思った。



  この彼女は東京の有名私大のドイツ語学科を卒業していてドイツ語会話力に
 問題はなかった。が、所詮当時の綾ちゃんとどっこいどっこいの経験しか持たない。
 おそらく彼女の頭の中ではドウーという親称を使うのは「仲良し仲間のお約束」
 という理解だったんじゃないだろうか?



  綾ちゃんは今でもこの彼女はドイツ語とドイツ文化の理解の仕方が浅かったんじゃ
 ないかと思っている。ドイツにおける(そしてヨーロッパにおいても、多分)親称、
 敬称の別というのは単なる「親しさ」とは少ーし性質というか境界線が異なる
 ように思える。


  ドウーで喋っていてこれを突然破棄されるというのは例えば親子の縁を切られる
 とか目に見えない糸や磁場のようなものを強制的に破壊するような暴力にも
 値するように思う。



  これらの一件を綾ちゃんは全て後付けで間接的に聞いただけなんだけど
 ミヒャエルはドウーを否定された件では「泣いていた」らしい。


  おそらくこれは、あの女の子が意図したよりはるかに陰湿なイジメとなって
 作用したに違いないと思う。



   


           今日のミュンヘンは汗ばむほどいいお天気ー!
          お花もどんどん満開!日本の桜が恋しい季節です。




 
 

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