2013年5月15日水曜日

南の島から来た彼女  24




   私のレポートを先生は面白く(良く言えば興味深く)読んでくださった。




 結果、彼の心にどれだけ私が踏み込めたかは未だもって分からない。なんだかスルー
しちゃった感もあるしなあ。でも、リードさんの浸食を食い止められた事だけは確かだ。
先生は何一つ教えてくださらないし、私もわざわざ尋ねたりしないしでまたしても
うやむやが増えてしまった?のかしら。いかんなあ、聞けばきっと包み隠さず教えて
くれるだろうに。でもリードさんがぱったり音沙汰無しになったところを見ると
やはり彼女との交友(と言う名の商売)を断ったのだと思う。


 で、結局リノベーションの話は振り出しに戻って、あんまり大げさな事はせず
問題のある箇所だけ集中的に部分的に行う事になった。


 なんだか仲間内みたいになっちゃったホーノルさんには、いつぞや女医の格好をして
現れた女性の正体をリードさんだとばらし、大笑いしたり、相変わらず南の島で繰り広げられる泣き笑いのドラマなんかを聞いたりしていた。


 ある時はホーノルさんが「いつもごちそうになっているお礼に」と手作りのお寿司を
持ってきた。彼女は約束したら有言実行の人なのでいつか来るかもと思っていたが
この時はうわわ、どうしようと内心アセった。だって彼女の得意料理は
「トロピカル寿司」だっていうんだもん。ネタはパパイヤ、マンゴー、バナナに
キーウイ、それからアボカド。
この中で私の許容範囲はアボカドのみ。わかってくれるよね。ううん、味見したら
褒めなきゃいけないのかなあ、いけないよねえ。これで友情壊れちゃったりして。
な〜んて思っていたら • • • 信じられない、ウマい!奇跡の美味さだ!!
本当に美味しかった。ごはんも上手に炊けていたし、いわゆる裏巻き(海苔を中にはさんで巻いて外側にごまをまぶしてある)の芯をマグロとマンゴー、またはシャケとアボカド、バナナに卵焼きなどにしてある。話を聞いたときはただのゲテモノだと思ったが
驚きの美味さだった。

(つづく)




           南国フルーツ実はあまり得意でない私
           自分でこれを素材にする自信は今もありません



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