2013年5月9日木曜日

南の島から来た彼女  ⑲




     そんなこんなをつらつら悩んでいる間にも着実に時は経っていく。



 同時進行で私たちはホーノルさんと急激に親しくなっていた。私は私で四方山話で
病院の内輪の話を当たり障りない程度に話したりしていたし、ドクターはドクターで
今回のリノベーションの話を自慢半分で相談していた。


先生   『ね、見てくださいよ。今度受付を新しくするつもりなんですけど
     これってどうでしょうね。白くて大きくってかっこいいでしょう?』



 あ〜あ、始まっちゃったよ、って思っていたらホーノルさん、突然顔つきを変えて
決然と言い放った。


ホーノルさん『ドクター、あなた本気ですか?こんなことしたら今まで培ってきた
      この病院のこれまでを全て踏みにじってしまいますよ。』



         ええ〜??ホーノルさん、言っちゃったよ。


 たいがいのことをはっきりともの申すドイツ人だけど今回の件に関してはこのカタログを見せられたドイツ人は一様に、まあいいんじゃないですか的な態度だった。
まあ、他人事だからね。きれいになるし立派は立派だし。
まさか彼女がこんな事を言い出すとは私は予測がついていなかったのだ。


(つづく)



           マダラヤドクガエル  すごい色


 

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