2013年5月25日土曜日

営業 〜其の弐〜




        デルーさんは陽気でおしゃべり好きなおばあちゃんだ。




 ものすごい訛りがあるので話半分くらいしか分からないときも多いんだけどね。
このおばあちゃんが素敵なのは、お仕事大好きな働く主婦だってとこ。彼女の話題は
ほとんど仕事の話ばかり。40年以上、メッセの受付に座ってる。メッセは週末にある
事も多いから結構忙しそう。それから会場の入り口はすきま風が吹いて寒いしね。
長年働いていたら病気にもなっちゃうね。足が静脈瘤で曲がらない。靴下を自分で
履けない。(自宅では「靴下履かせ器」なるもので脱ぎ着しているらしい。)治療の後
靴下を履かせるのは私のお決まりの仕事だ。



デルーさん『ああ、いつ来てもここの治療は気持ちいいねえ。わたしゃあ、流行に
     疎いからドクターに出会うまではこんな不思議な治療があるなんて
     知らなかったよ。ちょっとお高いのが玉にきずだからしょっちゅうって訳には
     いかないけれど仕事で頑張ったときのご褒美さ。』


私    『先生とはどうやってお知り合いになったんですか?(まさか • • ?)』


デルーさん『もう、3年くらい前の話さ。「衣と住のメッセ」会場の受付をやってたらね
     おたくの先生がとおりかかったのさ。私が痛い足をさすってたらね、「私が
     血液凝固抑制剤を使わなくても生活出来るように治療してあげよう。うちの
     病院に来なさい」って言って名刺を置いていったのさ。それ以来のご縁だよ。
     本当に薬を使わなくて良くなったからねえ。感謝してるよ。』



          うわあ!一体どこに出没してるんだあ!



 みなさん、ミュンヒェンで何かしらの催し物の会場で持病の話題を口走るとうちの
ドクターが「出て」来るかもしれません。ご注意を。




             靴下装着補助用具「はける君」
            ちなみに去年彼女からクリスマスプレゼントで
            靴下を一足いただきました。「いつものお礼に」
            ですって。素敵でしょ。





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