2013年10月4日金曜日

ハルさんの遺言と裁判  その3


         





         裁判の開廷は9時半なので、それ以前にドクターが病院に顔を出すことは
ないと思っていた。ところが8時過ぎにひょいと顔を見せた。朝ごはん(タッパー入り)
持参で。





                   『 吉岡さん、朝ごはん一緒に食べましょう。』



     朝、患者さんがいない時は時々先生に朝ごはんをごちそうになることがある。
中華の朝食は綾ちゃんには少し重いんだけどね。だけど今日はまさか朝一番に
ドクターに会おうとは思っていなかったからいつものようにコーヒーとクロワッサンで
済ませちゃった。


           『 先生、お時間大丈夫なんですか?』



       とりあえず最も重大な質問をしてみる。




       『8時45分にここを出ます。ちょっと資料を取りにきたんですよ。』



 そう言って先生は数葉の写真や去年の病院のスケジュール表などを鞄に
詰め込んだ。裁判所はすぐ近所なのだ。



 私は先生の朝ご飯をよそおって(どんぶりメシだ)ほんのちょっぴり
自分の分け前をもらってお相伴した。きっとごはんを食べながら私を相手に
事態を説明する事でこれから行われる裁判での証言をもう一度頭の中で
復習しようとしてらっしゃるのだろうと思った。



       


             『いただきます。』



 手を合わせて私たちは朝食を始めたのだった。













さてこれは何の写真かと言うとオクトーバーフェストのお化け屋敷の入り口に座っている
蝋人形のジキル氏。足下にお賽銭のように小銭が落ちていて面白かったので撮って
みたんだけど見えるかしら?




あれれ?未成年者にもビールが運ばれてきちゃいました。
彼のコーラが遅れたのでとりあえずビールで乾杯。
もちろん飲んじゃあいませんよ。








0 件のコメント:

コメントを投稿