2013年10月7日月曜日

ハルさんの遺言と裁判 その6



     


           『 ハルさんの病気の経過については吉岡さんもご存じの通りです。
    足の怪我が治らず傷口が開きっぱなしでうちで治療しましたよね。
            足の怪我自体は良くなったのにほっとする間もなく高熱が出て
            敗血症と診断され、再入院。おおもとの病名が判らずやきもき
            しながら約一週間ほどを過ごし、最終的に彼についた診断名は
            急性リンパ性白血病でした。』





          『その後の彼は化学治療のせいで衰弱の一途をたどり
    数週間後にこの世を去りました。
            あの頃、私は毎日のように彼を見舞って少しでも口に入る物はないかと
    ジュースやお粥を持っていったりあれこれと世話を焼いたものです。』





      先生が薬湯を携えて行く姿をあの頃たびたび見かけたので、私は先生が病室で
鍼を打ったり指圧をしたりと出来る限りの治療を行っていたのだと思っていたが
そうではなかったらしい。

        




     『漢方薬は彼が受け付けず、いずれにせよ身体の弱りようが
     ただごとではなかったので私は手を出せませんでした。』




 そうだったんだ。つまり、ドクターは無駄と知りつつ毎日のように漢方薬を
煎じてポットに持参してらしたんだ。なんだか胸が熱くなった。




(つづく)







IFAのメッセにて
すごく画像がいいよという展示






アシ、足、ASHI






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