2013年9月22日日曜日

ドイツ文学講義   えええええ?

   





      文学史にざっと目を通したところで私はドクターに尋ねてみた。
          誰か興味のある作家はいますか?って。



             そしたら「ゲーテ」って答えが返ってきた。




 そうだよね。ドイツ文学はゲーテに始まりゲーテに終わる。クラッシック音楽を
聴くのにベートーベンやモーツアルトを抜かしちゃ始まらないのと一緒だもんね。
ドクターは才能豊かで勉強好きな方だから天才に憧れる気持ちもきっとおあり
だと思う。じゃ、ここは一つ、ゲーテをゆっくり紹介していきましょう。



 綾ちゃんは卒業論文の題材にゲーテの作品を扱った。だから少しは詳しい。
例によって細部をネットで調べながら簡単にゲーテの生涯を解説していった。
実は大学4年生のとき幸運なことに柴田翔先生がうちの大学に集中講義で
やって来てその際大変かわいがっていただいたという経験を持っている。
柴田先生とはそれ以前から間接的にではあるが共通の知人(ドイツ人)が
いてご縁というものをしみじみと実感した次第だ。




 私が仲良くしていたドイツ人留学生の女の子がフルダ大学の教授の
お嬢さんで、そのお父さんが学生時代、柴田先生の留学時代一緒に机を並べた
仲だったのだ。私はその女の子(今ではドイツで日本学を教える大学の先生に
なっている)とは家族ぐるみで親しくなった。特にお父さんからは実の娘のように
可愛がってもらった。私にとってドイツのパパだ。(残念ながら既にお亡くなりに
なられたが。)
彼から柴田翔の名前は何度も聞いていたが私にとっては東京に住んでいる芥川賞作家
なんて全く実体のない存在だった。




 柴田先生に実際にお目にかかって、また先生のご専門の著書に触れさせていただいて
当時私の受けた影響は計り知れない。結局のところゲーテという「天才」を
読み解くための鍵の全ては柴田先生の著作物からいまだに借り受けているというのが
私の現在なのである。



 けれど、あれからずいぶん長い年月を経てもう私は20歳代の若い女学生では
なくなってしまったけれど、こうして何だかへんてこな状況でドイツの閑古鳥の
鳴く中医学の病院で中国人のお医者さんを相手にゲーテ論を展開している私。
一応、私の「説」があんまり的外れでないであろうことは、基本的に私の
「ゲーテ世界観」の中核が柴田先生からの受け売りであるからだ。あらためて
感謝いたします。柴田先生。



             

柴田翔『ファウスト第Ⅱ部を読む」
とても易しくわかりやすく解説してあります。













ベルリンの地下鉄 ドアの注意図
犬なんだろうけど馬に見える






地下鉄のイス

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