2016年8月6日土曜日

そしてポッツイーへ




                ある日新規住宅情報が貼り出された。家賃を一瞥。電話番号をメモって
   公衆電話へ走る。幸い最寄りのボックスは空いていた。大学メンザ(学生食堂)
   近くに電話ボックスはここしかない。次の最寄り電話は駅かマックだ。
   いやはや携帯の無かった時代をほとんど思い出せないね。このころの努力を
   思うと涙が出そう。綾ちゃんが電話するとすぐに繋がった。内見したい、
   できるだけ早くに、というと今からきていいとのこと。住所をメモしていると
   横目に紙切れ片手に電話ボックスへ向かって走って
   来る学生の姿。綾ちゃんの姿を認めて方向転換する姿。これ全部ライバル?
   おおっとこりゃあ大変。綾ちゃんは受話器を置いて次の学生に会釈すると
   市内地図(常時携帯)で歩きながら場所チェック。おお、何とポッツイー通り!
   便利いいじゃないか。地下鉄に飛び乗り更に住所チェック。うん、駅から
   近いし、あとは清潔であれば言うことないな。駅から飛び降り目的地へ
   駆け出す。住民登録で有名なお役所を横目に見ながら左折。
   現在はストリート絵画(スプレーで壁に描くやつ)で有名な市場の壁を見ながら。



    な、なんと、最終コーナーを回った時、視界の隅にライバル諸氏の駆け込む
   姿が認められるではないか!!鈍足の綾ちゃん、ラストスパートで敷地内に
   滑り込む。



    こ、これはきちんとしたアパート!大丈夫!これなら、、、そう自分の
   第一印象を信じる。管理人室はこちらの表示の通りに事務室に駆け込む。




         『先ほど電話したものです。お部屋、借ります!
         いますぐ契約書を見せてください!』



    内見もへったくれもない。多分ここなら大丈夫だという第六感に従った。
   ぐずぐずしてる間もない。ライバルが追いついたらあとはドイツ語で
   負けてしまう。もう、無我夢中で、それでも契約書は頑張って死に物狂いで
   速読。怪しいところはないのでいきなりサインした。




    サインした瞬間、ライバルの学生たちが3人ほど事務室に駆け込んできた。




    綾ちゃんの勝ち。、、、、、、でも、、、、、。



    それって本当に「勝ち」なの???






これはスチュワートさん??





 

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