2014年3月10日月曜日

男と女の物語は続きます ①






        デザイナーの女性がいる。ミュンヒェンの都心部で
       小物店を経営する方だ。ひざの故障で完治はちょっと
       難しい。対処療法に近い、痛め止めの薬やひざ関節の
       手術を避ける、または先延ばしするための治療を行っている。



 綾ちゃんがここで働き始めてからすぐの頃初診でいらして今まで1、2週に
一度の割合で鍼を打ちにいらっしゃる。だから漢方歴?は綾ちゃんとほぼ一緒。



 彼女の通院が3ヶ月ほど過ぎた頃、綾ちゃんに向かって、こうおっっしゃった。



    『残念だけどそろそろ治療を打ち切らねばなりません。
    さすがにもう、お財布が苦しくて。』




• • • なんて言ってたけれど結局今まで通ってくださっている。実は先生の
奥様のアイディアで「物々交換(?)」というか「取引」というか、
一種の交換条件で治療を続けている。病院の様々な洋裁のお仕事、例えば
綾ちゃんの仕事着とか治療代のカバーとかオリジナルで素敵なものを
作ってくださる。その請求書の支払いをこちらは治療でお返しする、という
やり方だ。
このやり方は一応会計上も問題なく、かつ患者さんには嬉しいことのようで
そんなやり方で2年近くが過ぎた。





  彼女は50歳後半でいらっしゃるが年金生活者のご主人とは別居生活だ。
不仲からではない。お仕事を勤め上げたご主人はオーストリアの山間の
別荘を自宅に改装して田舎の暮らしを楽しんでらっしゃる。
奥様はミュンヒェンにお店をお持ちなので週末を利用したり夏休みの時に
お帰りになるということだ。



         それはいい。




 問題は、一年の大半を過ごすミュンヒェンでやっているというお店。
ここで共同経営をやっているという男性、それは何と彼女の「元カレ」だと
いうことなのだ。





          

夫の見送りで空港へ
ドイツ料理屋さんで注文した焼きそば
衝撃的なマズさだった。焼きパイナップルが乗っていた。
ビールは二重丸。




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