2014年3月13日木曜日

男と女の物語は続きます ③





           これまた別のケース。






   ご主人は綾ちゃんと同い年。歳は内緒よ。政府のお役人。
  恰幅もいいし押し出しが良くってそのくせとってもソフトで
  感じの良いドイツの紳士。痛風の患者さんだった。





   痛風というのはずいぶん辛い病気のようだが、綾ちゃんの見るところ
  漢方的には案外治しやすい病気なんじゃないのかな?
  西洋薬を長期にわたって摂っていない場合に限ってだけど、どのケースも
  かなりキチンと治っているし予後も極めて良い。綾ちゃんはうちの病院で
  男性の患者さんしか痛風の人は知らないけれど、鍼を打たれた場所を
  見てみると皆、判で押したように腎経ばかり。煎じ薬の方も同じ材料が
  出て来ることが多い。



   ドイツのお役人は官僚の場合、国がプライベート保険を負担してくれるので
  うちの患者さんには結構公務員が多い。彼も2〜3ヶ月通ってすっかり全快。
  すごく満足して、今度はジャーナリストをしているという奥さんを
  紹介してくださった。



     『いやあ、うちの家内は鍼なんか絶対嫌だの一点張りで
     ひどい頭痛持ちのくせになんとも手を打とうとしないんだ。
     でも私がこんなにすっきり治ったからやっとで重い腰をあげてくれたよ。』




    ハイ、こちらとしてもありがたい限りです。お陰さまで綾ちゃんの世界も
   こんな風につながっていく。ここで働き出す前はドイツ人の友人といっても
   ママ友とか、ごく限られた交友関係だったのにね。
   シルレさん(仮名)、あなたともすっかり仲良しになったことだし
   きっと奥様とも色んな話が出来る。とっても楽しみです。




        そして翌週、シルレ夫人が病院にやって来た。





               ひゃあああああ〜!!





                お若い!!奥様!!



    つい、カルテに目がいく綾ちゃん。25歳以上若いよ。
   ええっと何から話そう?


    ダメだって、二人のなれそめなんか訊いちゃあ。
 • • • 好奇心丸出しの心をぐっと押さえ込む綾ちゃんでした。



   

        

枸杞(クコ)の実
綾ちゃんは毎朝患者さんにお出しするジャスミンティーに
枸杞の実、山査子(さんざし)、蓮の葉、菊花を
混ぜて淹れています









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