2014年3月19日水曜日

男と男の物語 二





     『だいたいさあ、人事採用する管理職がだめなのよ。』





  スタッフで一番古株の女性がお定まりの愚痴をこぼし始めた。




   『日本人を採用する時には学歴だのナンダのってうるさく検討するくせに
   ドイツ人スタッフの採用になったとたん及び腰になっちゃってさ
   自分たちがガイジン怖いもんだからちょっとでも強いこと言いそうな
   しっかり者は全部落としちゃってへらへらしたノータリン(死語か!)
   入れちゃうんだから。ミヒャエルの前任もひどいヤツだったけど
   よりにもよってまたしてもあんな知恵遅れ(ちょっと!)みたいなヤツ
   採用するなんて。』





   『だいたい、あのくねくねした身のこなしやへらへらした言葉遣い聞いて
   どうしてわかんないのかしら?あいつがオ○マだって。』





 ひええええ〜!!!そんなのわかんないよお〜!!つ、つまり、先輩方は
その男性を一目見ただけでそっち系の人だってわかるってことなんだ。




 そして驚いたことにミヒャエルは本当にそういう人だった。
これも伝え聞きではあるのだけれど、別の同僚が彼と四方山話をしていて
本人からそう聞いたそうだ。彼はそのことについては特に隠し立てを
しているということはなく、自分は一種の性同一障害で
女性を異性と意識したことはなく、恋人は男性としかおつきあいした
経験がないということだった。




 彼はのちに職場での人間関係がどんどん悪化していき最後は
泣く泣く退職していったように聞いた。綾ちゃんは夫の転勤で先に会社を
辞めちゃったからその状況は伝え聞いただけなんだけどね。



      今、どうしてるかな、ミヒャエル。





     

          これはシューマッハーさん
          なんとか目覚めて
          お元気になられますように


  おっと、下はエンデさん
 綾ちゃんがミュンヒェン大学の
 学生だった頃、エンデさんは
 まだお元気で
 マリーエン広場で何度も
 お見かけしました。

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