2014年3月3日月曜日

ドイツ、男と女の物語 ⑤

    



                    後日、男の人から電話がかかってきた。





          『 ○ ○さんから紹介されてお電話しました。予約をいただきたいのですが。』






                おお。彼女の紹介というだけあって柔らかでふわりとした口調。ええと、
         水曜日か木曜日ですね。ああ、水曜日ならご紹介者の彼女も予約が入ってますよ。
         よろしければ皆で一緒にお昼でもいかがですか?





               紹介者の彼女はうちのドクターが振る舞ったごはんにすっかり魅了され、
          是非次回は自分の体質に合った薬膳料理についてご教示いただきたいと、
          わざわざお昼前の11時に予約をしていたのだった。
          そして彼のほうも、電話口で、彼女から昼食が素晴らしかった話を聞いたこと、
          ヴェジタリアンの自分も是非、健康的な食生活と料理について話を聞きたいと
   おっしゃっていたのだ。





    水曜日の11時には既に彼女を含めて既に二人の予約が入っていた。
  ううん。その前30分、その後一時間はスケジュール空いてるから
  三人いっぺんにやれないことはない。
  一応、ドクターに事情を話して許可をいただいてから三人目の予約を入れた。





            でも 、その日彼はこなかった。その日の朝電話があって、仕事で今日は
  来れなくなった。明日に予約を変えられるだろうかとおっしゃった。
  その日綾ちゃんは紹介者の彼女と一緒に昼ご飯を取りながら漢方における
  健康食(ゆる〜い食膳)について語った。



     『残念でしたね、彼も一緒にお昼ごはん食べられると思っていたのに。』




  綾ちゃんがそう言うと、彼女はちょっぴり複雑な微笑み方をした。
  あれれ?変なの?と何となく綾ちゃんは思った。 




              翌日やって来た彼は電話での会話から推察したとおりの優しそうな紳士。
  書類にひととおり記入してもらってからドクターのお部屋へ。約30分の診察の
  後治療室へご案内。するとドクターがこっそり綾ちゃんの近くに寄ってきて
  こうおっしゃった。




               『吉岡さん、彼は昨日の彼女の別れた元夫で、しかも相当ひどい騒動の
  後に離婚したらしいよ。』



           、、、、、は??、、、は~あ??




近所のうちのお庭
もうすっかり春


白く見える小さなお花、すずらんです。
種が飛んで来たのか綾ちゃんちのお庭にもわずかに咲いてます。
とっても綺麗




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