2013年12月15日日曜日

新しい同僚 その十四





                       リリーさんのわめき声が聞こえて来る。ずいぶん長い間一人でわめき散らしている。一体、何が起こったんだろう?まさか、綾ちゃんの指圧をしろって言われて怒ってる訳?まさかあ。じゃ、他のことで何か気に入らないことでもあったのかなあ?それにしてもものすごいヒステリー声。知的な印象のお嬢さんだっただけに結構ショック。










           どんな事情があるにせよ、治療家としては失格だよ。リリーさん。今、他に患者さんはいないけど、綾ちゃんだって立派な患者なんだよ。ここは病院なんだから。









          なんて言ってるかはわからない。全部中国語だからね。綾ちゃんが中に割って入ったって何がどうなる訳でもないのでとにかく治療台に寝っころがったままひたすら待つ私。
とにかく何が起こったかはわからないが、またしても新しい同僚が今日限りで出て行ってしまいそうなのは火を見るより明らかだ。ここまで大きなトラブルを起こしておいて、その後平気の平座でにこやかに仕事は普通出来ない。











          少し経つと今度はドクターの声が聞こえて来た。押し殺した声だが明らかに怒っている。彼が一言、二言言うと彼女が五十から百は応酬する。リリーさん、凄いコワイ。こんな人だったんだと思うとかなりがっかり。








                 『&%$#!?/:<'!!!!:?~%>*;<=&!!!!(*`Д´)ノ!!!』






                 『/%*<*!&'~/+@<=&#$[?_^]`{>?*!!!(#`皿´)』











                                     まあ、とにかく、綾ちゃんには一言もわからない。ただただ待った。ひたすら待った。









                すると今度はバケツを落としたような凄い音。ドンガラバリバリ~!!また激昂するリリーさんの声。再びドンガラガッチャーン!










                  い、命懸けで仲裁に入ったほうがいいかも。











             いやいや。ここはドイツ。綾ちゃんは綾ちゃん夫がドイツの警察主催の安全講習会でくどいほど念を押されたという言葉を思い出した。

              『いかなる些細なケースでも決して勝手な自己判断で仲裁に入ってはいけない。必ず警察を呼ぶこと。』





                   これって、まさに今のケース?







0 件のコメント:

コメントを投稿