2013年12月3日火曜日

新しい同僚 その四






     この1年と8ヶ月の間、私は一体何人の「新しい同僚」に
             巡り会ってきた事だろう?








          最長で3ヶ月、1日で辞めた人は数知れず。





 アルバイトレベルの子たちに関してもそれぞれ面白いエピソードがある。
ついこの間の話だが、やはり殺人的な数の患者さんが一日のスケジュールに
埋まっていたある日の事、



      『さあ、今日は戦争だあ、どう考えても今日は滅茶苦茶になるぞ。』




と身構えていたらドクターが綾ちゃんに向かって、




      『この間ね、医大生の男の子(中国人)から電話が入って
      アルバイトで雇ってくださいって言うから、今日、臨時に
      来てもらう事になったんだ。よかったよかった。』




とおっしゃった。おお、それはラッキー!と胸を撫で下ろした。雑用でも
やってくれる人が一人いるといないとでは大違いだからね。




 ところが約束の9時になってもまだ来ない。これまでの経験から中国人に
遅刻魔が多いのは私も知っていたが、9時半になってもまだ来ない。
患者がどんどん増えていく。しかも面倒くさい(ゴメンナサイ!言い間違えました。
手のかかる)患者さんが次から次に!ヤバい!もう限界も近いかあ!




      その瞬間、玄関のチャイムが鳴って知らない女の人が入ってきた。
               げ、飛び込みい〜??





 その女性はアジア人で背は低く髪はぼさぼさ、ものすごく分厚い丸メガネ。一言で
言って「アヤしい中国人」だった。もちろんファッションもかなりすっとぼけている。
しかも一言もドイツ語が出来ない。英語もほとんど出来ない様子だ。
この忙しいのにドクター呼んできて用件訊かなきゃならないなんて〜!! 





      で、何事かと出てきたドクター、その女の子(そう、彼女は若かった)
     と中国語で何やらペラペラ話したところ、突然身を乗り出した。
     さらに彼女を薬品庫の隅っこに引っ張り込んで(どうせ誰も中国語
     出来ないんだから隠す事ないと思うんだけど)ぼそぼそ密談調に。
     それが済むと今度は綾ちゃんとそれからもう一人の患者さん
     (Aさんとしておこう。この患者さんはかなり気心の知れた人)に向かって、





         『今日から新しいスタッフが入りました。
         Aさんの指圧は彼女がやります。彼女はこの道の
         専門家であります。』




 と高らかにのたまわったのである。




 


ドクターからいただいたお誕生日カード
まっさらで封も切っていません。
もちろん値札もついていました。
何か意味があるのかな?





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